昨日のニューヨーク株式市場は一時900ドル超える棒上げ、急騰し、9000ドル台に一気に戻しました。為替相場も一気に円安に修正。24日と比較すると、米ドルは90円80銭から99円70銭まで、ユーロは113円58銭から127円30銭まで、豪ドルは54円96銭から64円80銭まで。凄まじい値動きとなりました。
何故、こんなにニューヨーク株式が上昇したのか?為替が大きく円安に振れたのか?後講釈で、FOMCや日銀の政策金利引き下げ観測が背景だとか、コメントされていますが、私は納得が行きません。「日銀が政策金利を下げないだろう」と市場が想定したのは、そもそも「日銀が政策金利を下げたところで、こんなに混乱してしまった金融危機回避に大きな寄与は期待できないから」だったはず。「円の為替介入がよしんば実施されたとしても、円高の流れを反転させる力は一時的でしかない」という評価であったはず。
私は「何かがサプライズとなって上昇をもたらした」と考えるよりも、そもそも現在の水準自体が根拠がない水準まで売り込まれていて、「どうしても現金化するために売らなければならない」という売りの主体が引っ込んだ結果、売りの大きな蓋がはずれて、買いが勝り上昇したのではないかと、需給のバランスが崩れたのが背景だと、今回の戻りを見て感じました。
毎日のように、今後淡々と金融危機回避のための方策が世界的に取られていきます。すぐに楽観の世界に戻ることはないと思いますが、徐々に「売らなければならない参加者が減っていく」につれて、底の確認はそう遠い日ではないように、期待もありますが、感じています。
私は株価の水準も、為替の水準も、「何故この位置にあるのか」と聞かれて、その何故に答えられる根拠が見当たりません。
何故ニューヨーク株式が9000ドルなのか、日本株が8000円なのか?
何故米ドルは96円で、ユーロが124円、豪ドルが62円なのか?
現在の水準が「当然あるべき水準」、あるいは「この水準よりも株安・円高であることが妥当」という明確な根拠があれば聞いてみたい。これが私の現在の心境です。
「売りたい人が売り切るまで株安・円高は止まらない」という漠然としたことしか言えない相場だと思います。「売りたい気持ち」も、「もう少し待てばもっと高く売れるかも」というムードに変われば、一気に売り方の数は減っていきます。そうすると逆に「いまのうちにちょっと買っておこう」と買い方の数が増え、価格に安定感が出て、売り方が益々減っていきます。不思議なもので、売っていた人は価格が上がってくると、これまで売っていたことを後悔し、「買わなくちゃ」と焦りの気持ちに変わり、買わないことに不安になってきます。こうなると、売る人はいなくなり、買いたい人ばかりになり、価格が跳ね上がっていきます。こういう状況がいつ起こるのか。そのときは自分は投資家として、どの立場で参加しているのか。久々にワクワクしてきました。