せっかく盛り上がっているのに・・・??

 「せっかく相場が盛り上がってきたのに、なんでこんな時期に大型の公募株式発行をやるのかなあ。相場が崩れたらどうすんだ」と、昔を知る一部の投資家の間で不満の声が聞こえてきます。
 発行する側から言えば「今までは発行しようにもできなかった。盛り上がっているうちにしておきたい」というのが本音です。
 投資家は「企業が資金調達を行うなら、株式発行よりも社債で高い金利をつけてもらった方がありがたい」と考える。企業は有利子負債になる社債より、自己資本になる株式の方がありがたい。相場の底からの回復過程では、公募株式の大量発行が繰り返し株価上昇の重石になってきました。
 公募株で投資資金が吸い上げられて相場の力削がれてしまう??
良くも悪しくも以前は、証券会社に営業力があり、お得意顧客から資金導入して公募株式に投資してもらったものですが、今どうでしょうか?「あのー。あのー。●●が公募株式の募集しているのですが、いかがですかあ?興味ないですかあ。わかりました。この次はお願いしまーす」。
 もともと興味がある人なら別ですが、こんな調子で声をかけられても、いったん気持ちが引いてしまった投資家がその気になるとは思えません。
 社債への興味は高まってきたと思います。しかし公募株式のニーズはどうでしょうか?
「だから公募株式が注目されてきたんだ」と、投資家が公募株式を購入するのに納得できる根拠の提示が必要だと思います。
 公募株式発行が相場の重石として注目されないのは、公募株式発行の認知自体が薄く、投資家の関心事にまだ上っていないということだと思います。したがって、公募株式に資金が大量に吸い上げられて、相場の力を削がれることもなく安心。それで株高基調は続いている・・・。証券会社の営業力の陰りが相場を保たせている??