インデックスファンドとETFを一緒に考えて良いのかなあ??

 私がずっと疑問に思っているのは、「いま流行りのETFをインデックスファンドと同じものと考えて良いのかなあ」ということです。インデックスファンドは市場平均に投資するもの。インデックスファンドに投資することで、日本株式全体に投資するのと、世界の株式全体に投資するのと、変わらない効果がある。「個別銘柄の投資は無理」という人にも、株式投資の道を開く有効な選択肢です。
 アクティブ型ファンドはそのインデックスファンドの成績を上回る実績を上げることを宣言しているのですが、過去の実績ではインデックスファンドの成績を上回る実績を残せたアクティブ型ファンドは多くて半分、通常は3分の一に満たないことが多いという統計が残っています。そして、その理由のひとつにアクティブ型ファンドの信託報酬など手数料がインデックスファンドよりも高いということが上げられています。
 そこでインデックスファンドと同じように市場平均に連動し、しかもアクティブ型ファンドよりもコストが低いインデックスファンドよりも、さらにコストが低い投資信託としてETFが注目されています。
なぜコストが低く抑えられているのか。それはアクティブ型ファンドやインデックスファンドのように販売金融会社に対する手数料を落とさない仕組みなっていること、そして投資家の売買に際して、その都度有価証券の売買が発生しないので、余計なコストがかからないですむことが上げられる。
 三菱UFJ投信が三菱グループ企業の株式で運用するETFを上場させるらしい。この三菱グループ企業の株式に投資することが日本株全体に投資するのと同じ事なのだろうか。もしかしたら、日本株全体に投資するよりも、三菱グループ企業の株式に投資した方が日本株全体に投資するよりも効率がよいということか。だとすれば、このETFはアクティブ型ファンドと何が違うのだろうか。
 「ETFは市場平均に投資するもの。コストの安いもの。投資初心者にも安心して取り組める人気の金融商品」。そんなふうに、投資家に対して刷り込みが行き過ぎていて、将来のミスリードの芽があるように危惧しています。
 本来投資家が求めているETF像は、日本株で言えば、「日経平均株価指数」や「TOPIX」に代わり、もっと市場全体に投資する指標として適したものがないのかということだと考えます。
ETFの仕組みを利用したアクティブ型ファンドは、その趣旨を明確に投資家に対して説明すべきではないでしょうか。