本日の日経に「三井住友FG 普通株増資8000億円」という記事がありました。普通株公募は株主利益の希薄化、既存株主の利益を軽視する行為として評判が悪い。東証も、既存株主に配慮した株主割当増資「ライツ・イシュー」の利便性を向上させるために上場ルールの変更に動き出したところ。
私の勝手な思いでしたが、日本で最初に「ライツ・イシュー」を適用するのが三井住友FGになるかもと期待していました。
増資自体が悪いわけではありません。実際、解散価値に届く水準まで株価が売り込まれた三井住友FGの公募発行は割安だと思います。しかし、既存株主に迷惑をかけての発行であることは間違いありません。しかも半年前に公募した株価を大きく下回る状態での増資に踏み切ることになります。
当然ですが、発行会社三井住友FG、および幹事証券会社は、まず既存株主が納得がいくように丁寧な説明がなされることが公募増資発行を行う前提です。
逆にこんなに注目されている中での普通株公募を、既存株主が応援、支持してくれる形で無事終わらせる丁寧な仕事を行えば、三井住友FGの評価、幹事証券会社の評価を高め、ひいては株式相場の今後に対しても前向きなエネルギーになるチャンスだと思います。
「えっ??これまでと何も変わってないじゃん」と既存株主をがっかりさせ、投資家の評価を落とさないような配慮・戦略が準備されていることを期待します。あえて、ここで普通株増資に踏み切るのですから。
藤井財務相に愛想を尽かされ、辞任されてしまう鳩山総理のように、場当たり的な対応で終わらないことを切に願います。ここで再度公募増資の評判を落とすと、今度こそ「普通株公募=株主軽視」という烙印を押されることになり、ますます増資を行うことが困難になってしまいます。