連日、株安・円高という相場の重いムードが漂った先週でしたが、今週あたりから、少し冷静に先行きの展開を見据えていく動きになるのではないでしょうか。
そもそも、何で株安・円高の重いムードに転化したのでしょうか?ついちょっと前までは、「このまましばらく円安・株高で行っちゃうんじゃないのう」というムードだったのに・・・。
「中国の金融引き締めの動き」と「オバマ米大統領の金融規制法案」がきっかけです。
中国が預金準備率を引き上げたり、新規の貸し出しをストップする窓口規制を行ったり、金余りに対して直接締め付ける政策に動きました。しかし、これは景気の急な腰折れを防ぐためには、仕方ない行為であり、景気を長続きさせるために必要な行為で、サプライズなことではなく、「そりゃー、あれだけGDPが高い成長を続ければ、少しブレーキを踏む気配があっても当然だろう。むしろ、経済成長の期間を長く引き延ばすには、こうした調整は必要」という評価に落ち着くと思います。
「オバマ米大統領の金融規制法案」に関して、ちょっと相場が神経質に反応しすぎたという反省が入るかも知れません。
先週出てきた企業業績も政府の重要指標も、過去の数字ではありますが、ほとんどが前向きな数字でした。米国の数字には、企業の在庫減り、個人消費も設備投資も予想していた以上に順調という見方もありました。
個人的には、円高・株安・資源価格安というムードが、投資家心理を必要以上に沈み込ませてしまったように思います。すぐさま、ムードが一転して、株高・円安に向かう展開に変わるとは思いませんが、「そこまで悲観して相場の先行きを不安に思う必要はなかった」という戻りの転機がある週になると思います。
日本だけではなく、その他先進国も、景気回復誘導の政策を手放したわけではなく、さらなる一手も二手も打たざるを得ない状況は現在も続いているのです。その政策効果の是非を問われるのはむしろこれからです。そういう意味では、今回の急落は、安易に相場が楽観に走り出す前にけん制する一発が入り、その一発が妙にガクッと効いてしまったということではないでしょうか。
いたずらに強気、楽観になるのは困りものですが、妙に悲嘆に暮れてしまうのも極端です。上がれば下がり。これからも下がるかも知れませんが、下がれば上がります。下げ方がきついほど、戻りの早さも期待できます。私は今でも、1月よりは2月の相場の方が楽しみな展開を想定しています。
特に業績に安定感があり、配当利回りの高い企業に注目したいですね。
この株安・円高局面のこの先に興味津々です。