最後の主張だけ、違います!!

 本日の日経朝刊に円高活用術外貨編というコラムがあります。ここで、恥ずかしながら「識者コメント」として私のコメントが載っています。

?円高が進む中での外貨投資は、ひとつのよいタイミング
?外貨投資を行う際には、外貨投資を行うことで何を手に入れたいのかの目的を明確に持って始めることが大事。たとえば「国内の投資では期待収益が低いから外貨投資を検討する」など。逆に言えば、国内投資よりも期待収益が高くないと判断するなら外貨投資をやる意味はないということ。
?外貨投資の入り口として、外貨MMFがよい
?「どのくらいの損失リスクなら許容できるか」と為替リスクの許容範囲を開始する前に認識しておくことも必要。ドル投資なら「1ドル=80円までの円高」などと、目安となる為替相場の水準を決め、実際にその水準より円高になれば取引を止めるべき。
とありました・・・・。しかし?の最後の最後の主張が違います。おそらく、私のクライアントやこれまでこのブログを読んで頂いた人の多くは、「いつもと違う」と違和感があったと思います。
 私は投資で大事な点は最悪の事態を覚悟した上でも投資を行う意味があると納得できるかという確認だと考えています。
その最悪な事態は冷静でないとイメージするのが難しい。そこで私は、為替であれば、円安基調の時に「どこまでの円高があり得るか」、円高基調の時に「どこまでの円安があり得るか」を考えるようにしています。現在のように円高基調の時に「どこまで円高になるか」を考えると、どこまでも円高が進みそうで冷静に見れず、むしろ「円安に振れたらどこまで戻るのか」を想像するほうが冷静になれます。「戻っても100円までかな」とか・・・。
 私はこれまで何度も円高基調、円安基調を経験し、私の中では、「1米ドル=80円、1ユーロ=100円、1豪ドル=70円」を円高ラインとして覚悟しています。
ドルが130円、120円の時も、80円の円高にいずれなることを覚悟して投資していました。
今1ドル=80円の時を迎え、コメントでは想定以上の円高になったらドル投資を控えるべき」となっていますが、私の主張は全く逆です。「やっと80円ラインに近づく好機が到来したのに、ドル投資にひるむな」とこれまでの私の経験がフラッグを思いっきり振って私を鼓舞しています。
 世の中に、下落する最中にある相場での買いを勧めない専門家が多いですね。どんなタイミングで、どんな銘柄を買っても儲かるときが必ずあるから、その時に準備し、相場上昇が確実になってから投資を開始すればいいという、いわゆるトレンドフォローの戦略を勧める人のほうが多いと思います。私の場合は、そんな器用なことはできないという考え方に行き着いたのです。
 私は底で投資することをあきらめました。底ら辺だったらいいと考えることにしました。
すぐに儲からなくてもいい、しばらく買ってから下がり続けてもいい、最終的に時間がかかっても、そこそこのリターンが残ればよいと考えるようになりました。
 すると、大きなリターンさえ望まなければ、そこそこのリターンを得るチャンスは繰り返し何度もくるんだと実感しています。こんなに、そこそこのリターンを得るチャンスがあるのに、投資の機会から目をそらしているのはもったいないと実感しています。
 そこそこのリターンってどれくらいなのでしょうか?私の場合は、「外債投資を行うとどれくらいのリターンが確実なのか」と考えます。そして年4%以上のリターンが期待できるなら、そこそこのリターンを期待できる対象として注目します。株式投資や、その他の投資に、あえて取り組むなら、少なくとも、外債投資以上のリターンが期待できる対象でなければ投資する意味がないと考えます。
 私にとって現在の環境は、為替が想定以上に円高に振れたから慎重になるべきとは考えず、想定以上の円高に振れた絶好の投資機会にあると考えています。