他はダメだから日本株が買われている!!

 経験則では、頼みもしないのに「売ってくれ。高く買うよ」という話しが舞い込みだした時は相場に過熱感がすでに発生している時。特に不動産物件なんかに、よく見られる話しですね。そういうときは、もし「高く売れるものなら売ってもいい」という物件をお持ちなら、あまり欲張らず、売却を検討した方が良い時期だと思います。

 以前にも書きましたが、本来なら個人のマーケットを当てにしていない社債が個人向けに案内され「お願いだから買ってくれる?どのくらいの利息を付けたら魅力的?」と企業側からすり寄ってくる時期は個人にとって社債を検討するチャンス。「ここはいいけど、ここはイヤだ」とえり好みが許される、とっても投資妙味の高い時期です。
 逆に、「預貯金金利に比べて、この程度の金利がついていれば十分でしょ?」と企業側が個人に対して「売ってやるよ」的な社債発行の時期は、個人にとって余りお勧めできない環境と言えるでしょう。
今はまさにそんな時期ですね。同じ企業に投資するなら、リスクを吟味して、株式投資の方が検討のしがいがあると思います。これがある意味、「やっぱり安全資産はリスク資産にしみ出していくのが道理」という私の根拠のひとつになっています。
 それともう一つ、最近の言葉で気になるのは「日本株は割安で見直され買われている」というコメントです。ホントかあ??と思うのです。
 私はこの2,3年の間、世界の投資家から、いや、国内の投資家からも関心を持たれない存在になりきってしまったと思います。しかし、米国危機、ユーロ危機に伴い高まる流動性確保期待、新興国・資源の高値警戒感と流動性懸念が大きくなるにつれて、流動性が高く、よく見れば余り上がっていない日本株に目が行き、実際投資してみれば、「下値が固く、投資資金の一時避難にはいいかも」という評価が高まってきたからだと私は思います。
 したがって、日本株が良くて買われているのではなく、他に適当な受け皿が見つからないから、他から比べれば高値警戒感はそれほどでもないから、という消去法の買い方が主であり、日本株がとか、日本株の某がという個別銘柄が評価された長続きのする買いだと買いかぶりが過ぎるのは危険だと思います。
 ただし、さきほどの日本株が受け皿になっている背景はしばらく変わらないので、当面は現在の動きが続くと強気の見方をしてよいと思います。
 「他はダメだけど、日本株だけは買われる」は言い過ぎ
「他がダメだから日本株が買われている」ならわかります