賃貸派か、持ち家派か??

 家賃の更新料は、期間が満了し、契約を更新する際に、賃借人から賃貸人が受け取るもの。「何の意味があるのか」と納得がいかない賃借人側から訴えが出ていましたが、最高裁が「経済的合理性がないということはできない」と微妙な表現により、更新料は有効という判決が出ました。

 この判決に安堵した地主・家主さんは多かったと思いますが、今後はさらに透明性を持って、賃借人に納得して更新料を支払ってもらう努力が課せられ、より楽なビジネスではなくなった印象は否めません。
 放射線量が話題になった某所では、お子さんを持つ家庭で不安感情はおさまらず、引っ越しを決断したところもあるようです。聞くところによると、賃貸の方々とのこと。持ち家の方は、悩みながらも、売るに売れない状況に様子を見ざるを得ない人も多いようです。
 ここでも、賃貸派は身軽で良いという評価がありますが、個人的には、賃貸派が得、持ち家派は損、という構図ではなく、賃借人は得、賃貸人は損という視点が私は気になりました。
 状況に合わせて、賃借人は自由に動き回れるということは、賃貸人は賃借人が「いつ出ていくのか」、「何で出ていくのか」、「どんなサービスを提供できたら、賃借人に長く住んでもらえるのか」を常に意識し先回りして動かないと、常に空室に悩むオーナーの数は増える可能性が高いと思われます。賃貸オーナー受難の時代ですね。
 「いざというときは貸せばいい」とにわかオーナーになることを甘く見て、分不相応な高額不動産物件を購入するのはよく考えた方がいいと思います。「ローンを賃借人のために払っているようなもの」と後悔したくないものです。
 ここで告知です。7月22日14時5分の日経CNBC「TOKYOマーケットウオッチ」で個人向け国債について、話をする機会を頂きました。昨年から私が追い続けてきたテーマのひとつなので、楽しみにしています。