投資には分散投資が必要です。そして、ある人は分散投資として、競馬・競輪・マージャン・パチンコ、そして預金をバランスよくやっているよと話してくれました。これってどうでしょう。確かに分散はできているようですが。
分散投資の対象は、投資の途中では個別に損が出ていても全体で見るとプラスになる、長期で保有すればプラスに転じる可能性が高いものを組み合わせることにより、資産が安定し、分散投資を行う意味があります。長くやっていても、利益が出るかどうか定かでないものにいくら分散して投資しても成果は難しいでしょう。
分散投資という意識が浸透し、最近では伝統的な運用手法の株式・債券とともに、不動産や商品を加える資産分散型ファンドが流行りですが、私には抵抗感があります。賃貸収入を主体にするREIT(不動産投信)の水準がどう考えても割高になっていると考えるからです。しかも世界的に。欧州では不動産ブームらしいですね。こうした不動産ブームの支えになっているのは、REITや不動産私募ファンドの運用資金が潤沢にあり、物件獲得競争が世界的に高まっているからです。高値で物件を買い付けた不動産ファンドを誰が買うのでしょうか。しかし不動産ファンドのニーズがあるから、どんどんファンドがつくられるわけです。
私は疑っています。もし不動産ファンドが割高でも、分散投資で必要だからと言えば、日本の個人はまだまだお金を出すと思っている輩がいるのではないかと。私は2001年9月に誕生した日本版REITをこれまで一度も取り扱っていませんが、もし分散投資であえて不動産を入れるなら、東証で売買ができて、実績があるものをピックアップしたいと考えています。私のまったく個人的な考えです。利息収入を期待して不動産ファンドに投資するなら、今はやらないと私は決めています。