「値上がりを期待しない」から「値下がりの覚悟がいる」投資に変質!

 昨年末はユーロ圏危機の深刻化と円高が重なって、2012年年初からの日本株式相場に期待する人はほとんどいませんでした。日経平均株価は8400円、米ドルは77円でした。

 当時、株式投資に取り組む人は、目先値上がり益は期待せず、逆に、まだ値が下がるかも知れないけど、それは割安であり、放っておけば戻ってくる水準だと自分を納得させて、配当利回り程度のリターンが春先までに確保できればいいと、株式投資を値上がり益を期待しないで投資に取り組みました。
 株式投資は「上がる」と期待して買うから、ストレスになります。「当面は値上がりを期待せず、値上がりがあればラッキー」と思って株式投資に取り組めるなら、ストレスの邪魔者が入らないので、鬼に金棒でゆったりと投資が継続できます。
 しかし、底値から2割、3割と上昇している銘柄がゾロゾロ出て、日経平均株価は直近の高値10434円を意識する水準まで回復してくると、同じような心持ちで株式投資に取り組むことはできません。本来の株式投資である「値下がりするリスクを覚悟した上で、期待するリターンは新規に取り組むに足るものか」を検討しなければならない相場環境に戻りました。
 来週には、大きな買い要因であった配当・株主優待狙いの買いニーズが減退します。
 「値下がりのリスクがあり、配当・株主優待の買いニーズが減退した日本株式を、これまでと同様に買っていけるのか?」
 が問われる週に入ります。
 私は、当たり前ですが、日本株式全体が買いの対象ではなく、当然、買っていいものと買いの様子を見たほうが良いものが混在していると思います。
 焦らずじっくり、「この株価水準のこの銘柄なら割安」という機会を待つ方法がよいと思います。そして、株に慎重な人が増えるほど、為替は円安に振れやすくなると思います。