最近、「Jリートへの投資を勧める人が多いのですが、今からでも買っていいと思いますか?」という質問を受けることが多くなりました。
米国リートやグローバルリートの値上がりの大きさに比べて、Jリートの値上がり具合は鈍く、出遅れていて、「下がっても、米国リートやグローバルリートほど値下がりしないだろう」という都合の良い期待を抱き、そして、相対的に大きい分配金額を引き下げずに維持していることに魅力を感じている人は多いようです。
私も世界同時金融緩和の環境が整い、リート市場には確実な追い風が吹いている思いますが、大きく値上がりすれば、その反動で大きく下落する場面が来ることを覚悟しておかないといけません。
リート投資は、相場の低迷期に相対的に「高い分配金」が注目される対象ですが、みんながリート投資に注目し参加者が増えると、「買うから上がる」「上がるから買う人が増える」投資対象に変化して、分配金の大きさよりも値上がり益を目的とする投資対象になってしまいます。
すると、分配金の大きさを期待して投資した人たちは覚悟が必要です。割高な段階に入ったら、「値上がりを喜ぶだけではなく、高いところで売っておかないと大きな損を抱えてしまう」という意識を持って、値動きを気にしなくてはなりません。
したがって、リートを含めて「高いところでは売っておく必要がある」投資をする時は仕組みまで完全に理解する必要はありませんが、少なくとも、「どこまで上がり、どこまで下がる可能性があるのか」の目安を自分で立てられる投資対象であることが大事だと私は思います。
「Jリートはどこまで値上がりすると考えていますか?どこまで値下がりすることを覚悟すべきだと思いますか?」
見方があたるかどうかは別として、自分でその答えをイメージできない人が値動きのある投資対象に向かっていくのは無謀であり、無茶です。もし、その投資対象に取り組む覚悟をしたのであれば、自分で自分なりの答えをだせるまで、投資対象を理解しようとする努力が必要だと思います。値上がり益目的の投資は、人任せでは成果を上げることは難しい。「私はこう考えるのだけど・・・」と自分の考えがあり、確認していく過程の中で、投資と付き合う方法が身についていくものだと私は思います。
いよいよ、変化が期待できる11月に入りました。「これぐらいの株高があり得るかも」「これぐらいの円安はあり得るかも」と自分なりのイメージを整えて、「そのときどうするか」の対応を準備しておきましょう。