本日の日経朝刊に「指数型投信じわり、手数料の安さに評価、純資産残高アクティブ型に迫る」という記事がありました。過去3年間の日本のアクティブ型のうち、日経平均株価を上回ったものは37%しかなかったというデータもありました。
「プロが市場平均に勝つ運用をするというから、わざわざ手数料が高いのを承知で投資したのに、この結果にがっかり。だとすれば、最初から手数料が安い指数型投信を選んだ方がましじゃないか」という考えは至極投資家としてはまともだと思います。
販売する側の金融機関も「手数料が安いから指数型投信を積極的に販売してこなかったが、今後は考えたい」というのもわかります。
しかし私は、大半がどうしようもないアクティブ型であっても、「こいつだけは運用のプロだ」というアクティブ型があり、そんなアクティブ型が他にもないかと「運用のプロ」を探し求めるムードがあって欲しいと願います。「こんな割安な状況であれば、自分では探すのは無理だけど、運用のプロなら素晴らしいパフォーマンスが期待できるかも知れない」と期待するアクティブ型投信の存在が少ないのが寂しいです。
良いモデルケースは「さわかみファンド」ではないでしょうか?「株式投資をするなら私にまかせなさい。安いところではバンバン買いますよ」。「おそらくこの投資環境だったら、こんなことを投資家向けにしゃべるんだろうなあ」と期待したことを、そのまましゃべる。常に言っていることがぶれない。迷いがない。実際はあるのかもしれませんが。最近の実績は特によいわけではありませんが、投資家にとっては相場が安くなったら自分が投資する代わりに「さわかみファンド」に委ねるという形が出来上がっています。
最近、投信のファンド説明会に行ってもつまらない。レジメの中に書いてある話しか伝わってこない。そんなのレジメを見りゃあわかること。以前のファンド説明会のスピーカーは「このファンドは素晴らしいんです。是非みなさんに少しでもわかって帰っていただきたい。運用する人間はこんなことを日常考えながら運用しているんです。彼らはこんな事にも気を配って投資しているんですねえ。側にいながら感心することが多いんです」と、明らかにスピーカー自身がそのファンドのファンで、「語り部」になっていました。そういう話なら、繰り返し聞きたくもなりますし、聞いたことを誰かに伝えたくもなります。
売れるから「指数型投資信託」、売れないから「アクティブ型投資信託」は適当に。そんな作り手側、販売側の姿勢では、受ける側、聞く側の投資家のやる気はどんどん削がれてしまいます。
「何故投資が退屈でつまらないものになってしまっているのか」。作り手側、販売側が投資に楽しんで取り組んでいないからではないでしょうか?誰かに伝えたくなるような「楽しい」ネタを聞かせてください。