海外では水道、電力、ガスなど規制業種の公益企業から施設管理を委託された「インフラ管理企業」が好業績で、買収の標的になっているようです。最近の例では、港湾管理世界第3位の会社や英国の空港管理会社大手が買収されました。「空港管理会社が好業績で買収の標的」という話は、日本航空が再建のメドが立たない現状を考えると皮肉に聞こえます。
不動産の販売には浮き沈みがありますが、「その会社にメンテナンスを頼んだらテナントが喜んでくれて空室待ち状態だよ」という不動産管理会社であれば引く手あまたで、必然好業績会社になるでしょう。しかも、これまで競争が少なかった規制業種であれば尚更。新規参入した企業も腕を振う改善や工夫の余地がたくさんあったのではないでしょうか。
これからは新しいものを作り出す一方で、今あるものの価値を維持し高めるニーズが求められる時代ではないでしょうか。顧客ニーズは移り気で多様化しているため、この2つを同時にやろうとするとどちらも中途半端になりサービスの質が低下する懸念があり、分野に特化し、双方が連携する形態が多くなると考えられます。
内閣府が公共サービスの担い手を官民の競争入札で決める市場化テストの対象を、既に決まっている9業務から来夏20に拡大する方針を決めたことは、時代の要請として理解できます。民間から「開放してくれ」と求められている業務はまだ300以上あるらしいのですが、ここは新規参入組の活躍次第でいずれ開きます。プロ意識に期待したいと思います。