円安基調が支えられるのはこれからが本番と考える根拠!!

 去年はよく、「前川さん、外債投資はつまらないねえ。5年間持ち続けているのに、まだマイナスだよ」と話しかけられることがよくありました。

 そのたびに、「5年前の米ドルは110円、豪ドルは100円、ユーロは160円だったんだから、この円高水準でも、さほど損が出ていない外債投資の成果を認めてあげてください」と言い
「結局、円の現金で持っていたほうが良かったってワケね」とうち捨てられてしまうことがよくありました。

 ユーロ危機以降の円高続きで「為替での損」に敏感になっている人は今でも多く、本当に多くの人が思い違いをされているのですが、「外債型投信の多くは利益が出ているはずですよ」と言っても、にわかに信じない人が多いです。

 たとえば、新興国国債に運用するブラジルレアル建てコースの投資信託。ユーロ危機の深刻化でこっぴどくブラジルレアルが売られて、大きな損を経験した人がたくさんいます。その損の大きさを見て、販売した金融機関に「なんでこんな流動性の低い、危険な新興国通貨を投資初心者に勧めたんだ」と社会的な非難を受けて、「ブラジルレアル」「通貨選択型」という言葉自体が非常にダーティなイメージにされてしまいました。

 それが今はどうでしょう。もし現在もお持ちの方であれば、是非、投資した元本が今どういう事態になっているのかを思い切って見直してください。現在のブラジルレアルの水準は3年半前の水準にやっと戻ったところですが、リターンはおそらく4~6割増になっているはずです。
 外債型投信を円高の局面で手放してしまった人には、気の毒ですが、そのまま持ち続けて来た人には納得感のあるリターンを知らず知らずに手にしてきた人が多いはずです。

 これまでの円高続いた5年間、一時期、分配金の多さが注目されて「ハイイールド債券型投信」に注目が集まったインチキ(本来の趣旨からはずれた)外債投資ブームはありましたが、大事なコア資産を外債で運用するという時期はありません。

 しかし、この5年間堪え忍んで外債投資を継続してきた人の中でハッピーな体験を周りに話す人がこれから多くなると思います。「債券投資はいいよ。株式とは違って、ただ持っているだけでリターンが確実に入り手入れがいらないんだから・・・。特にこれから円以外の資産を持っていたいという人は外債投資が良いね」と、実績に裏付けされた人の話が口コミとなって広がっていきます。

 この動きが「円安基調が支えられるのはこれからが本番」と私が考える根拠です。