イエレン新FRB議長の初めての議会証言が無難に終わった安堵感からか、再びニューヨークダウ指数は16000ドル目前まで値上がりしました。連れて、日経平均株価も14800円程度まで戻ってきました。個人的には、まだ日本株相場の先行きに楽観しておらず、15000円を抜けて再びリスクオン投資熱が盛り上がっていく展開よりも、15000円の壁の厚さを確認し目先の底値を探る停滞状態に入る可能性のほうが高いと考えています。
やはり、日本株相場の上昇は外人買いの継続を抜きには考えられず、その動きが戻ってくるまでは、株価の上下の鞘を取るといった個別株への投資が主流で、日経平均株価のように日本株全体を買う大相場はしばらく先だと考えます。
気になるのは、日本の経常黒字が激減し、基調転換のメドが見えないのに、相変わらず、政府のコメントは「円安は日本にとって望ましい」とノー天気なことを言っていることです。
経常収支が赤字になるということは、国内では資金が足りず、海外から借金をしなければならない国になってしまうということ。経常収支、貿易収支の黒字が当たり前になっていたときの日本とは頭を切り換えて今後の対策が必要な時期を迎えています。
こんなに借金が多く、しかも、その借金が「円安になって経済が成長すればなんとかなる」と根拠もなく思い込んでいる政策一辺倒の日本に外人投資家が不安に思う日が来ると考えるのが自然です。
自分の身は自分で守るしかなく、国・政府に頼り切ってはいけません。将来、日本人が円安を憂える時期が来たときになって、一緒に慌てないように準備しておいたほうがよいです。何度も繰り返しますが、円安に走り出す前に円に替わる資産の割合を高めておきましょう。