ドルに対する不信で買われていた、金価格(ゴールド)、原油価格の急落の次はユーロでした。
昨年春頃、ユーロはドルに対しして1.4の割合だったのが、ついに先週は1.05を割れて、専門家には0.8に向かうという見方も出てきました。ついこの間まで100ユーロで140ドルの買い物ができたのに、現在は105ドルの買い物しかできなくなった、この先には80ドルの買い物しかできなくなるとなれば、ユーロ圏内で生活している方々に支障が出ないはずがありません。
つまり、日本でこれ以上の円安に対して懸念が出始めているように、ユーロにおいても、ユーロ安を好ましく思う流れに変化が出始めるのだと思います。しかし、相場は行き過ぎるものですし、なって欲しくない方向に大きく振りきれないと、あるべき水準には戻ってきませんので、今後も、好ましくない円安やユーロ安は続く覚悟が必要なのだと思います。
原油安はそういう環境の中で、一般的な消費者にとっては、物価を抑え、可処分所得を高めるプラスの材料だと思いますが、省エネ・新エネルギーをめざす社会に変わった今、原油が安くなったから、安くなった原油をジャブジャブ使おうとすることはなく、「かかる費用が少なくなって助かる」という範囲に留まり、原油に対する需要が大きく増えることにはつながらず、当面は原油価格が大きく回復することはないと考えます。
ユーロが抱えているリスクの大きさを考えれば、どう考えても、現在のユーロの株価や債券の価値は高すぎると思います。しかしながら、ユーロの「ジャブジャブに資金をつけて、現金をあぶり出す」国策は無視できず、買うから上がる、上がるから買うの循環に入りました。
日経平均株価が89年年末38957.44円をつけた過程とたぶります。株価が32000円をつけるところまでは高値警戒感満載のムードが外人の買いで勢いがつき、夏以降は狂乱乱舞で一気に4万円を意識するところまで上り詰め、来年は12万円という目標数字まで上がりました。
宴(うたげ)の後。反動は大きなものになりました。ユーロから目が離せません。ユーロ相場が行き詰まった後どんなことが起こるのか。うたげの時間は、それほど長いものではない前提で考えていたほうがよいと思います。