人が買いたいと言われたら売るのが投資の極意!?

 先人で財を成した人とは、人が関心を示さないときに良いものをコツコツ買い集め、人がその良さに気づき、買いたいと言われたら喜んで売ってあげる、「腹八分」で満足出来る人らしいです。買いたいと言われれば、「もっと上がるのではないか」、「もっと高く売れるのではないか」と欲が出ますので、なかなか常人では実践が出来ません。
 最近売れ筋マンションはそんなに慌てて販売せず、もっと良い条件で売れる時期を様子見ていると聞きます。これってどうでしょうか?私には、「売れ筋マンションを売っていくと、それ以外のマンションの売れ行きがますます鈍って在庫が増えるから、まず先に在庫になっているマンションから掃こうと考えているのかなあ」と疑ってしまいます。買う気になった人も目的のものがなかなか出てこなければ、買う気自体が失せてしまいます。顧客の目は肥えていますから、どれでもいいとは考えないからです。
 最近、米国の買収ファンド大手ブラックストーン・グループが米不動産投信(REIT)の大手を360億ドルで買収しました。ファンドによる買収の最高額です。この不動産投信のオーナーは百戦錬磨の投資家として有名な人で「他の人がやらないビジネスほどリターンが大きい」と繰り返してきた人だそうです。買収ファンドには値上がり利益を期待して大きな資金が流入し、託された買収ファンドは投資先を探すのに血眼になっています。今回の買収の結果は後にならなければわかりませんが、ブラックストーンが割安で手に入れたことになるか、割高で買い取ったことになるのか。
 米国の小売り・サービス業の中堅企業が市場成熟化を受けて、投資ファンドへ身売りする動きが相次いでいるそうです。本業とするプロがあきらめた事業を投資ファンドが引き継ぐ。確かに新しい考え方を入れ再生する道もあるのでしょうが、そんな簡単なものとは思えません。やはり運用しなければならない資金をたくさん抱えた投資ファンドの焦りがあるように思えるのですが。
 もしかしたら、さきほどの不動産投信を売却したオーナーさんは、「また不動産が安くなったら買おう」と、買収で得たお金を米国国債の運用に回しているのかもしれませんね。金持ち喧嘩せず。あなたが買いたいと言ったから売ってあげた。後はお手並み拝見ということでしょうか。
 ところで米ドルが再び117円を割れてきました。117円、115円、114円、112円。ドルの見方が弱気になっている人が売りたいのなら、すこしずつなら買ってあげますよ。
たくさんは物理的に買えませんが。