昨日の為替市場は久々に見応えのある動きでした。東京市場では115円30銭程度でほとんど値動きが少ない状態で推移しましたが、海外市場に入ってからは115円90銭程度まで円安・ドル高、円安トレンドに入るかと思われる雰囲気から一転し円高、一気に115円割れ。やっぱり、円高基調はしばらく続くのかァと思うやいなや・・・。突然の円安進行。みるみるドルは上昇し、116円を抜き116円50銭程度までありました。
投機筋の円売り・ドル買いに賭けたポジションは激減。「ドルは高くなる、円は安くなる」に賭けた人の大抵は、10月の120円前後から5円以上急落した円高・ドル安の進行で、刀折れ、矢が尽きて、退散し、今でも「円売り・ドル買い」に賭けている人の数はピーク時の六分の一まで減っています。
一方、10月1.250だったユーロ・ドルは1.336と短期間に7%近く上昇し、現在もユーロ高・ドル安に賭けている人が3倍以上に増えています。
冷静に考えて、10月のドル高・ユーロ安の見方は行き過ぎだったし、現在のドル安・ユーロ高の見方も行き過ぎではないでしょうか。そのため「現在の水準を割高として投資しているのか、割安として投資しているのか」を自分の中で確認をしてみてください。相場にただ振り回され、数字だけを追いかけて焦ってはいないでしょうか。
来週は米国の連邦準備制度(FRB)の会合で米国政策金利の引き上げがこれまでと同様に見送られるのか、それとも引き下げられるのかが注目されています。引き下げはドル安材料と見られていますが、大方の予想では、引き上げ見送りです。そして日本の事情で言えば、年内に日銀は政策金利の追加引き上げをするのか、これは円高材料と見られています。こちらは見方が分かれていますが、私は年内の追加引き上げはないと考えています。
いずれにしても、今週の為替動向の結果を見る限りにおいては、「もしかしたら円安・ドル高に向かう?」という余韻が残りました。もしそうなれば、円安を好感して日本株式の下値は固まるかも知れません。そういう意味から、来週の相場の方向がどちらに向かうかで、年内の終わり方・トレンドの方向性が決まるのではないでしょうか。注目です。
したがって、この土、日を利用して、「来週円高になったら、円安になったら、株価が上昇したら、下落したら」、自分はどんな心理状況になるのだろうか、そしてそのとき自分はどんな対応を取ろうか、を準備しておくと良いと思います。
「え〜い、考えるのが面倒くさい。来年仕切り直しだ」と、これからの相場には参加せず、眺めると決めるのもOKでしょう。中途半端に参加することだけは止めましょう。そうでなくても、師走は気持ちが焦るのですから。