昨日NHKのスペシャル番組「ワーキングプア?」を夫婦で見て、ため息も出ず、「これが現実なんだよなあ」と胸が詰まりました。「努力すれば貧困から抜け出せるのですか?」「貧困は自助努力が足りない結果なのですか?」。
よく、こんな質問を受けます。「投資に回す余裕資金をどう作るのですか?」。いろいろな考え方があると思うのですが、「急がば回れ」、大金をつくることを焦った人は投資が身につくまでに、投資に失敗し投資をあきらめる人が多いように感じます。投資で大事なことはリスクを知ることです。株価や為替の変動リスクは経験しなければわからないことが多いです。
以前は株式投資や外債投資を行うには大きな金額が必要でしたが、今は実際の10分の一の投資金額でも株式投資が可能なミニ株投資や、1万円程度でも外貨投資が可能な外貨MMFが利用できます。
投資は割安で買い、それよりも高いところで売り、利益を確定して、投資のワンサイクルです。しかし、自分の購入したところが常に割安で買えれば結構なことですが、そうでないケースが多々あります。そのときに慌てないように、追加で投資する余裕資金を持つ必要があります。したがって投資資金としては、最低10万円、できれば30万円は確保したいものです。その資金を作る方法は、一発で作ろうとはせず、毎月一定額を積み立てるやり方が確実だと思います。
少額で大きな取引が可能という文句に誘われ、一発を狙い、株式の信用取引や外国為替証拠金取引など先物取引にいきなり投資することは勧めません。先物取引は確かに少額で出来ますが、リスクは大きな取引と一緒。リスクについて理解しないうちに取り組めば、投資金額をなくすだけではなく、それ以上の損失をかぶることは必然です。
投資で大事なことは、リスクに振り回されない、リスクをコントロール・管理する力を身につけること。焦らず自分が取れるリスク、リスク許容度を探り、経験値を高めて、自分にあった投資方法を選択しましょう。みんながやっていることが、自分に合っているとは限りません。
パチンコで擦っても仕方ないという資金と、守って殖やす投資資金とは最初の目的が異なるはずです。しかし当初の目的が投資であっても、損で焦り、早く取り返そうと一発を狙い始めると、投機に変わり、パチンコをするのと同じ行為に陥りがちです。投資の最中は、「今は投資の心境か、投機の心境か」と立ち止まって考える時間を作ることをお勧めします。
是非、投資をしたことが「ワーキングプア」につながらないように。投資を楽しめるように、ゆっくり、ゆったりと投資とつきたいものです。