昨日もNY株式は続落。一週間で533ドルの急落となりました。為替も一時116円42銭までの円高に振れ、円高のトレンドが変わった風もありません。専門家の論調の多くは「投資環境の大筋の流れには変わりなく、一時的な調整である」というものです。しかし、この1週間大きく急落したとはいえ、現在の位置は昨年末の水準に戻っただけとも言えます。つまり、この下がった位置でも投資家にはまだ余裕が残っています。しかし人間の心理は不思議なもので、時間の経過が不安心理を増長させます。この重い相場が長くなると見方が変わる可能性があります。
「大丈夫だ」と思っていたけど、一日、一日と、戻りが少なく、戻っても直ぐに弱含んでしまう相場が続くと、新規投資する気持ちを弱くします。最初はこわごわ売っていた人はだんだん「相場が弱くなる」という確信から自信を持って売るようになります。
今まで短期で値幅を取ろうと買っていた人も、「買いでは儲からない。売りだ」と方針転換をします。買い方は散り散りになり、売り方優勢、「買い方不在」の急落になり、「セーリングクライマックス」を目指します。
来週は「もうはまだなり」で、更なる一段安に向かうのか、「まだはもうなり」で目先の底値を確認するのか、の大事な週になりそうです。個人的には「泣く子には勝てない」相場、「そんなに慌てて売ることはないじゃないか。何も変わって無いじゃないか。景気も悪くないし、内外金利差は十分あるから円高がそんなに進むはずがない」と親が子供をなだめる相場だと思います。子供は親のあやしで泣きやむでしょうか。笑ってくれるでしょうか。結局親は黙って子が泣きやむのを待つことになるのではないかと思います。
あやせば、あやすほど、泣きやむのに時間がかかると思います。株安、円高の状況が長引いたときに、どうするかを想定して対応を練っておくことをお勧めします。