昨年の秋、2000だった上海総合株価指数は4000台に再び乗せてきました。中国政府は過熱を警戒し口先介入を繰り返しますが、中国の個人投資家の強気な見方は変わらず、「5000はいく」という声がもっぱら。
中国の株価を押し上げている要因の一つが拡大を続ける投資信託。中国の投資信託残高は昨年10〜12月期と比較して33%増、今年1〜3月期はついに1兆1400億元(約17兆6700億円)になったという報道が最近ありました。タンス預金にしていたお金が集まっているとのこと。運用に悩むお金が投資信託に流れる構図はどこも一緒。
中国の金融当局は、インサイダー取引や市場操作に対する厳しい取り締まりや更なる金融引き締めなど、今後厳しい対応を迫られていますが、株価急落で市場が冷え込むのも困りものと苦慮している様子。
中国の株式相場では先物取引がまだないため、利益は値上がり利益のみだが、近い将来先物取引が整備され、売りでも利益を狙える環境が整う。そうなったら、割高な中国株の水準が一気に修正されると警戒する見方もあります。
昨日、日経記事では中国政府は個人に外国株式への投資を解禁するという記事がありました。中国政府は「中国の国内だけではなく、外もご覧なさい」と、国際分散投資を勧めているのかなあと私は受け止めました。
急増する中国の個人投資家の数は、なんと9500万人。この人たちが国際分散投資に目を向けたら・・・。相場の動向を予測する上で、オイルダラーに加え、中国ダラーにも目配せが必要になりました。中長期で投資を考えたい人にとっては迷惑な話ですが、しばらくは上下の変動にドキドキする場面が続きそうです。