同じ効果が見込めて価格が安いなら、誰しも価格が安いものを通常だったら選びます。ところが、あえて価格が高いものを選ぶ人は更に税金を払ってもらう。なぜならば、「敢えて高いものを選ぶ人に対して注意を促すため」らしい。これって、少し「あれっ?」って、私は思いましたが、皆さんはいかがでしょうか?
政府は先発医薬品と効果が同じで価格が安い後発医薬品の普及を促すため、あえて割高な先発医薬品を選んだ場合は患者の自己負担が増える仕組みにするらしい。日経記事によれば、全体を数量ベースでみて後発医薬品が占める割合は、英国が56%、イギリスが49%、独が41%に対して、日本は16%だということ。
確かに名のある企業の方が、たとえ割高であっても安心という患者は存在するかも知れませんが、ことお薬に関しては患者が薬同士の比較をして選んだ経験はありません。基本的に医者の処方箋に従います。にもかかわらず、あえて割高な薬を選んだ場合は患者負担を増やすというのは問題ではないでしょうか。もしかしたら、患者に負担をかけないと患者の問題意識が高まらず「割高な医薬品は要らない」という声が上がってこないおそれがあるから、あえて不自然だけど今回の仕組みを適用しようとしているのでしょうか?
これがもし金融商品であれば、不適切な処理をしたとして金融機関が処罰されます。たとえば米ドル債が満期になり、再度米ドル債を購入する際には、満期になったドル資金でそのまま再度米ドル債を購入するやり方をします。
いったん円で満期を受けてしまうと、再度米ドル債を購入する際には、ドル資金を円に換えるときに、さらに円資金からドル資金に戻すときに、余計な為替手数料がかかるからです。顧客にちゃんと説明をしていれば、顧客があえて不利な方法を選ぶわけがない、業者が手数料稼ぎに行う行為だとし、業者を罰するわけです。
医薬品は金融商品のように監督庁の検査体制が整備されていないから、患者の声に期待するしかないということでしょうか。だとすれば患者が割高な薬を盛られているかどうか、わかるような領収書を義務づけてもらえないでしょうか。領収書を見ても、患者には分かりません。ここをはっきりしてもらわないと、患者は「医者から高い薬を押し付けられている」という被害者意識を高めてしまうだけです。圧倒的多数のお医者様は「そんな事にこだわって医療業務に従事している訳じゃない」と不本意に思っているのではないでしょうか。お互い気持ちよく、病気やケガの治療を受けたいと思います。