預金者がリスクを取らずに貯蓄に止まっているから、一向に日本市場の効率性が高まらない。分散投資とともに、リスクの高い商品への投資へ参加させることで運用効率を高めるべきだ・・・・という声あり。
世界中から運用のプロを積極的に国内に招き、競わせ、市場育成に努力すべきだ・・・・という声あり。
このままでは日本の金融市場は確実に国際競争力を失っており、ニューヨーク・ロンドンにはますます引き離され、近い将来アジアの国にも追い越されるゥ・・・・という叫ぶ声あり。
本来投資するかどうかは、個人の選択であり、強制されて行うものではないはず。「日本市場の地盤沈下を避けるためには、個人に積極的にリスクマネーに投資してもらわなければならない」と言われても、個人には関係ない話。余計なお世話である。個人だって好きこのんで、貯蓄にしがみついているわけではないはず。投資の仕方、投資とのつきあい方がわからないから、一歩が踏み出せていないのが実情でしょう。
にもかかわらず、「貯蓄が悪、貯蓄にしがみつくものは時代遅れ」的な言葉で、無理に「投資」へ追い込むやり方をしても、大きな流れになるわけがない。何で踏み切れないのかという個人の悩みや不安に対して配慮のない勧めに、個人が自ら投資を楽しんでやろうという気持ちにはならない。
「政府の方針だ。何故投資をしない」と声高に言われても、しらけるばかり。
一方で自分では分からないから人に投資を任せて楽になりたいという人が増えています。大事な資産は人任せにはしてはいけないことはわかっているけど、「運用しなくちゃ」というプレッシャーに負けてしまいます。
米国の著名投資家ウオーレン・バフェット氏は、投資に困った資金がじゃぶつき、そのお金が相場を底上げしているのが現状で、突発的な外的要因の発生で相場が急変する可能性があると警鐘している。
こうしたリスクを理解した上で、リターンに見合うものなのかを検証し、投資に踏み切るかどうかの判断をサポートすることが今こそ大事であり、「私に任せなさい」的なうまい話に引っかからないように、ネットをかけるのが政府の仕事ではないでしょうか。もちろん個人の自助努力が前提ですが。