投資信託はプロに運用を任せる道具ですが、プロが全てのことをしてくれるわけではありません。プロは「私は日本株を対象に、積極的な値上がり益を追求します」など、投資信託それぞれには必ず運用方針があります。投資信託を選ぶときに大事なことは、自分の目的にあった運用方針のものを選ぶことです。何をしようとするプロなのかを知らずに、お金を託せば不安になるのは当たり前です。相手を知った上で託す、当たり前のようですが、みなさんはできていますか?
「何かいいのない?じゃーそれ」、みたいな選び方していませんか?
投資信託は運用方針が明確ですが、不動産私募ファンドはどうなのでしょうか。物流施設向けファンドを運用する日本レップという会社は、物流量の拡大に伴い、国内だけではニーズに対応できないため、豪物流不動産大手から出資を受けて子会社になるそうです。これは明らかな運用方針の変更ですね。「今まで国内株式のみを投資対象にしてきましたが、これからは海外株式にも積極的に投資をします」ということと同じではないでしょうか。
だとすれば、現在国内にのみ投資することで了解をもらっている投資家に対して、「海外の物件も積極的に取り扱うことになりましたが引き続き大事な資金をお預かりしていてよろしいですか?」という確認は行うのでしょうか?これから新規に取り扱うファンドから行うのであれば問題ないと思いますが。
投資家の自己責任を問うのであれば、「すべてお任せ」という同意がしっかり取れていれば別ですが、投資家の同意なしに勝手な方針変更は許されるものではないと思います。国内首都圏のオフィスビルに投資していたと思ったら、いつの間にかすべて、上海やシンガポールなどに変わっていたとしたら、これはびっくりですよね。
もしそれを知っていたら「もっと買いたい」という反応かもしれませんし、「それだったら売りたい」という反応かもしれません。投資家の投資判断に関わる重要事項の変更は当然伝わっていますよね。ちょっと気になったものですから、この話題を取り上げてみました。