マネックス証券は思い切った試みをしました。年利率1%期間3ヶ月の個人向けマネックス社債を発行しました。金利が上昇している中でも平気な顔をして3ヶ月0.25%の定期を出している銀行への当てつけでもあるでしょう。ホームページには、マネックスが企業として市場から調達する金利が1%だそうで、同じ資金調達をするのであれば、1%の利息を喜んでくれる個人投資家向けに社債を発行して喜んでもらおうじゃないかという発想らしいです。おそらくマネックスの信用力であれば3ヶ月1%以下でのレートで調達が可能でしょうし、一万円単位で個人向けに販売するのに余計なコストもかかりますから、この試みは出血大サービス。せこい金融機関であれば、なんとか利益を残そうとレートを0.8%ぐらいで抑えたかも知れません。そこをきっちり1%に置いたのは、さすがマネックスです。この1%に意味があるのです。この1%だから預金者にインパクトがあるのです。
これがもし法人でもOKということになったら、どうなると皆さん思いますか?まず間違いなくバカ売れとなり、マネックスはおそらくすぐに発行を取りやめることになると思います。それほど足もとにはまだ低金利を不満に思っていて、0.01%でも上の金利で運用したいニーズがたくさんあります。
マネックスの松本社長はずっと機関投資家を相手に商売をしてきた人ですから、おそらく「この社債が売れないわけはない」と確信しているのだと思います。果たして、思惑どおり個人投資家のお金はマネックスに流れてくるでしょうか?
明らかに預金者や金利に敏感な投資家の資金を呼び込もうと出血覚悟で打って出たマネックス証券。個人的には個人投資家に年1%の意味をもう少し浸透させてからでもよかったのではと思います。私は、この3ヶ月年1%の社債は個人投資家に金利を考えさせるきっかけになるかもしれないと期待しています。あっぱれ、マネックス証券。