ビルのオーナーがビル管理をプロに丸投げして、肩の荷を下ろしているCMをご覧になったことはありますか?不労所得とうらやましく思われている不動産経営の実際は、賃貸人のニーズに応えるために、税務・法務の知識はもちろん市場調査に気を配らなければならない究極のサービス業で、安易に取り組みトラブルを抱え困っている人が少なくないようです。そうした世相を受けたCMなんですね。
ところがプロだと信頼して丸投げした人が、また別の人に丸投げをして仲介手数料だけを目的にする人だとわかったら、気分のいいことではありません。丸投げするにしても、相談者のニーズにあった人を探し、実際立ち会い、その後の相談にも乗るというのが本来あるべき「プロ」の仲介者の役目だと思います。
現在金融機関の窓口では、大抵のことが相談できるようになりました。こちらから相談を持ちかけもしないのに、先方から「今回こんなこと、あんなこと始めました。是非その際には真っ先にご相談下さい」。そのとき担当者には、胸に手を当てて自分に問いかけてもらいたいものです。自分はこの人にどんなサポートをしてあげられるのだろうかと。「実は何もしてないんです。でも手数料がもらえるものなら欲しいんです」。手数料は正当な対価としてもらうもの。本日も銀行の儲けすぎ批判の嵐が吹いていますが、反省する面もあるのではないでしょうか。