米国とその他主要国間の貿易摩擦問題の行方が不透明な中で、相場は行ったり来たりのボックス相場が続いています。
年初の世界同時株高で高まった期待感はもどかしく、じれったい気持ちに変わってしまいました。
年初、米国の利上げ継続の見通しから3%を大きく上回る上昇が心配された米国10年国債利回りは、予想通り利上げが継続されたにもかかわらず3%を大きく上回っていきそな気配ではなく、
むしろ最近ではジリジリと3%の水準から低下気味です。
これまた、年初、先行き不透明な投資環境を嫌気して、「安全通貨円」にリスク回避の資金が流れ込み、大きな円高になる心配がありましたが、1ドル=113円近辺までドル高が戻ってきました。
今はリスクに対して鈍感になっている「リスクオン」なのか、逆に敏感になっている「リスクオフ」なのか。
多くの方が感じられているように、後者のリスクオフに向かう過程だと思います。
実際、米国国債利回りは低下し、ドルは強くなってきましたが、新興国の債券の中には売られて大幅に金利上昇したもの、通貨安で資金が流出している国があります。
より安全な国、投資対象を求める流れは当面は強くなることはあっても弱くなることはなく、結果、米国債・米ドルに資金が向かっているのだと思います。
私は株式の専門家ではありませんが、景気の先行指標とされる市況関連株「素材・非鉄金属」「機械」「物流」株の値下がり傾向が気になっています。
「モノが売れていく。モノをたくさん作る。モノをたくさん運ぶ」という流れが今後も続くのでしょうか。
「日経平均株価の22000円の水準は妥当である」という前提は、「この先の日本の景気はさらに良くなり、もっと稼げるはずなのに、この水準は割安だ」というものだと理解しています。
もし市況関連株の値下がりが景気の転機を迎えたという兆しであれば、前提の見直しが必要になります。