そろそろ年末の足音が聞こえてきました。時節柄、ボーナスシーズンに向けて「何を勧めますか?」と聞かれることが多くなりました。
今具体的に「ひらめくもの」があるわけではありませんが、久しぶりに日本株の個別銘柄を考えても良いのではと考えています。おそらく今、日本株を対象にした投資信託を敢えて勧める販売金融機関はないのではないでしょうか。それぐらい、日本株に対する関心が薄れています。
「ここの200日線を切ると底割れのサイン。ここを切らなければ目先13週平均線までの戻りが期待できるか」
こんな目先のことにとらわれて、投資するのはつまらないですよねえ。
「現在の水準は買っても良い水準。だけど50円値が下がったら、トレンドラインが変わるから、そのときは損切りして大きな損をしないように」
たかが50円下がったぐらいで、損切りをしなければならないような個別銘柄を「勧めるなよ〜」って思いません?
私は株式トレーダーの話で今でも印象に残っている言葉があります。
「エコノミストや評論家であれば、経済や景気を語っていればいいけど、我々は生の投資対象と向き合っている。景気や市況が悪くても株式全てが悪いわけじゃない。その中でみんなが正当に評価していない企業を発掘して顧客に紹介するのが仕事。相場が悪いねえと聞かれて、そうですねえと答えるだけでは我々の存在意義はないんだ」
「私、今まで安くなれば買いたいと思っていた銘柄があるんです。これって、そろそろ割安になっていると思うんだけど、どう見ます?」。
売らんかなという営業マンの声ではなく、純粋に株式投資に興味がある投資家から、こういう声がたくさん聞こえてくると日本株にも明るさが出てくると思うのですが。そんな見方が出てきてもおかしくない水準に入ってきたと私は思います。