迷っている人の解決に近づく助言になっているか!!

 投資は誰にとっても必要なものではないと思いますし、投資とのつきあい方も「こうすれば問題解決」というひながたがあるわけではなく、自分にあったつきあい方を試行錯誤してみつけるしかないと私は考えています。
 投資が必要だと考えている人が投資をいざ始めてみようと思うと、いろいろ疑問に思うことやもっと知りたいと思うことがその都度発生してくるでしょう。そんな投資家の知りたいという意欲に応えて、少しでもお役に立てればと我々のような人間が存在します。
 私は金融商品で長く残っているものは、人をだます目的で作られた「まがいもの」以外は必ず投資家にとって利点があるから残っているもので、全てがダメという全否定の金融商品はないと思います。したがって相談者に助言を求められた場合は投資家の目的を明確にして、その目的にどんな点が合致していて、どんな点に不都合があるのかの両面を必ず説明するようにしています。
 
 逆に言えば、どんな評判の良い金融商品でも、かならずどこか課題を抱えています。
「あれはこんな点がダメなんです。やる意味がありません」
「これは良いって言われていますが、私は良くないと思います。なぜなら・・」
「世間で常識として通っていることにもたくさんの間違いがあるんです。多くの人は気づいていませんが。たとえば・・」
 「投資を今後どうしたら良いだろう」と相談に来た投資家に「あれはダメ。これはダメ。注意してください。だまされちゃいけないですよ」と散々注意を浴びせ、不安にさせる。それで結論として「あなたにあった投資のやり方はこんな形で考えたらいかがでしょうか」と、なにかしら助言がもらえるようならまだありがたいのですが、最後に「投資は自分にあった方法で付き合わないとストレスに感じるだけ。結果は自己責任ですから慎重に選んでくださいね」と言われては・・・・???
 その人はただ単に不安な気持ちにさせられて「その自分にあった投資方法を聞きに来たのに」と、なんのために相談しに来たのかと不満を残すだけでしょう。
「私は現金で残すのが一番だと思います」という信念をお持ちの助言者なのでしょうか。
 「あなたが私の経験・知識の程度と、今後の投資目的を理解した上で、この投資環境において、どんな投資の選択肢をイメージできますか」と多くの相談者は専門家に助言を求めてきているはずです。したがって、専門家の助言によって「思っても見なかった選択肢が見つかった」と選択肢が増えるのが本来の助言ではないでしょうか。せっかく勉強してきたことも否定され、ダメ出しされ、提示された内容が偏っていたり、何もなかったりでは、相談者の悩みを解決する助言とは言えないと思います。
 相談者はせっかく相談をするわけですから自分にとってプラスになる話しを必ず「持ち帰ってやれ」という意識を強く持ってください。助言に内容がないように感じたら「もう少し具体的なアドバイスを期待してきたんですが」と突っ込みを入れましょう。単一の投資対象に絞る助言内容でしたら「私の投資目的とこの投資対象がどんな点で合致しているのか、もう少し詳しく聞かせてください」と突っ込みましょう。助言者から期待したレベルの助言をもらうには、相談者にはそれを引き出す相応の意欲が必要です。鐘は小さく叩けば小さくしか鳴らず、大きく叩けばそれに応じた鐘の音となります。ただ全てお任せで助言者に頼る相談者の姿勢では余り期待した内容になっていないケースが多いと私は思います。みなさん、聞き上手を目指しましょう。
 「結局、この人はどんな投資なら良いと考えているんだあ?」と全てダメ出しの意見で通す専門家。これはいかがなものかと私は思いますが、みなさんはいかがでしょうか。相談者に何が残るのでしょうか。はなはだ疑問です。