専門家の見立てを信用して買ったのに!?

 本日の日経朝刊にサブプライム関連証券化商品の取引価格が、サブプライム問題で混乱しFRBが0.5%の大幅引き下げを実施したにもかかわらず、その後もさらに著しく値下がりしているという記事がありました。世間一般で破綻リスクをほとんど意識することがない高格付けを得ていた金融商品でさえも、2割から5割も下げているとの事。先進主要国の国債並みの格付けを取得した金融商品が、2割も5割も下がるだなんて、誰が想定したでしょうか。投資した人は気の毒としか言いようがありません。運用のプロとして、名だたる面々が大きな被害にあっています。
 今思えば格付けがたとえ高格付けであっても、内容がサブプライムローンの関連商品であれば、もう少し慎重に対処すべきだったと言えるかもしれませんが、歴史あり、実績がある格付け会社が「元利金の支払いは確実である」と評価したものを疑うことが当時できたでしょうか。
 しかし証券化商品の取引価格が急落しているのは破綻(デフォルト)した結果だけではありません。投資していた人が保有し続けることができず売ろうとするけど買い手がいない、だけどそれでも売ろうとするから取引価格が下がるという、換金が困難な、流動性をなくしたという市場要因があります。
 サブプライム問題の再発防止策を探る専門研究チームの偉い人は「格付け会社は債務不履行に陥る信用リスクを対象に格付けを与えているが、売買が極端に細って転売が困難になる流動性リスクは考慮していない。流動性のリスクが別にあることを周知徹底してもよかったのではないか」とコメントしているようです。格付け会社にリスク説明の配慮が欠けていたということです。これって、被害者であるプロにとって恥ずかしいコメントではないでしょうか。 そんなことも知らなかったの?
 確かに、こんな短期間に格付けの大幅な引き下げを繰り返してきた格付け会社に対して、プロとしての力量、存在意義を疑うほどの不信感があるのは事実ですが、何でもかんでも押し付けるわけにはいかないでしょう。
 対象とする投資環境や市場規模の違いなどにより、商品の流動性はその時々でまちまちであるはず。それを読みきった上での格付けなんて、どこが出せるのでしょうか。
 そんなできもしないことを格付け会社に期待するよりも、格付け会社がつける格付けがあるから取引する、なければ取引できない、という特殊な金融商品が、リスクを認知できない一般投資家向けに対して知らないうちに案内されることがないように目配りする監視体制が整っているかの方が気になります。
 なんだかわからないけど、これまで良い成績だったという金融商品に投資している人は、「なぜ良い成績が残せたのか」を一度は確認しておいたほうがよさそうです。