買われた材料を本当に喜んで良いのか??

 さすがに値が重い日本株も本日は、NY株高・円安を受けて上昇しました。やはり、相変わらずの重さはありますが。
 今回もそうですが、ここのところ欧米株式相場が上昇する材料は、サブプライム問題で巨額損失を計上した欧米金融機関に対してソブリンウェルスファンド(SWF)が出資するというものでした。
 もし日本の金融機関にSWFの資金が大量に入る事態になったら、そこを通じた企業や個人に対する融資方法や預金で集めた資金の運用方法、公的な役目を果たす部分の使命などに支障はないのでしょうか。
 そもそもファンドの資金は割安で投資して割高で売却し利益を確定。それを出資者に分配するもの。綺麗事を言っていた村上ファンドが、その後変質してしまったのは、ファンドの性格上仕方ないことだと思います。
 ヘッジファンドを継続するためには、ファンドにとって大きすぎる投資家の資金を入れないことが大事なことだと聞きました。その資金を預かって運用を始めると、その後その投資家がファンドから資金を引き揚げる段階で、他の既存の投資家に迷惑をかける可能性があるからです。継続して良質なサービスを心がけるところであれば、これは当然の配慮だと思います。
 欧米の金融機関がSWFの出資を受け入れたのは、存続のためには背に腹は代えられない状態だったのでしょうか?SWFの出資の意味は純粋な投資なのでしょうか?それとも、このまま欧米の金融機関の状況が悪化したら、これまでの投資に大きな損失が出るため相身互いの決断からの出資なのでしょうか?真相は分かりませんし、これからがどうなるかもわかりませんが、今回の買われた材料を本当に喜んで良いのかと個人的には疑問に思っています。
 近い将来国内の金融機関にもSWFの出資が入るように思います。国内の金融機関が欧米の金融機関もどきになってしまうことが日本人の望んでいる方向なのでしょうか?私はぞっとします。「こいつと付き合った方が得か、どうか?」と値踏みされているようで。