今月の視点 2022年11月

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高金利のときは債券投資と積立投資に取り組む

米国株式市場では、住宅関連など経済指標の減速に加え、金融システムの機能低下を米連邦準備制度理事会(FRB)が気にし始めたとの見方を背景に、金融引き締め策の転換期待が浮上しています。

8月全米住宅価格指数は2ヶ月連続の低下(2011年3月以来)、米購買担当者指数(PMI、速報値)は2年4ヶ月ぶりに好不況の分かれ目である50を割り込みました。また、30年物住宅ローンの固定金利は2001年以来の高水準7.16%と10週連続の上昇となり、購入契約が急減、契約のキャンセルも急増しています。

FRB内でも、米国の急速な金利上昇やドル高進行で世界の金融市場が一段と不安定になり、金融システムの機能不全を招くリスクを警戒する見方が出てきました。しかし現状では、3.7%の歴史的低水準にある失業率が7%程度まで上昇するなど、世論の強い懸念が高まらない限り、株式市場が期待するFRBの政策転換の可能性は低いとの見方が大勢です。

FRBは「金融引き締めが足りないリスクは、やり過ぎるリスクよりも深刻だ」としています。つまり、金融が不安定になる懸念で早めに利下げに踏み切るよりも、金利水準を引き上げてインフレを抑制し、高い金利水準を維持してインフレのデータを早期に落ち着かせることを優先する考えです。

米ドル建て債券投資、魅力増

11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%、12月にさらに0.75%政策金利を引き上げると、年末の政策金利は4.50~4.75%になります。住宅ローン金利などの借入れ金利は現水準よりも上昇するため、個人消費や企業の設備投資がさらに抑制気味になるのは明らかです。

FRBの断固たる政策金利の引上げ姿勢により、米国国債利回りは遂に短期から期間30年の長期まで、4%程度以上の利回り水準になりました。連れて、信用力の高い投資適格社債でさえ米ドル建てで6%以上の利回りのものも現れ、信用力が低ければ10%を超える利回りが確保できる環境になりました。

債券投資にも発行体が破綻して紙切れになってしまうリスクはありますが、破綻しなければ確定利回り商品です。債券の金利妙味が高まってきたことから、「期間10年だと破綻リスクは高まるけれど、4年程度の保有だったら大丈夫か」など、発行体の破綻リスクと期間を勘案して検討してみる価値がありそうです。

一方で、借り入れして投資している方にとっては、値上がり益が期待できない株式や不動産など、リスク資産の保有継続が難しくなり、売却の検討をしなければならないケースが増えていくでしょう。リスク資産への投資は、こうした金利環境が続く限り(2023年中か)、値上がり基調への転換はない前提で投資すべきだと思います。

中長期で望む積立投資、魅力増

「S&P500指数に連動するもの」、マイクロソフトやアマゾンなど、テクノロジーの発展により恩恵を受ける「米国IT企業の株式に投資するもの」、世界の株式の中から「フィンテック関連企業の株式に投資するもの」、3投信の2019年年末からの基準価額推移(配当込み)を見ると、「S&P500」と比較して、テクノロジー株式の下落を受けた「IT企業」は軟調な展開が続いており、とりわけ新興企業が主体の「フィンテック」の値下がりが目立っています。
現在、米ドル建て債券投資は、4%を超える魅力的な水準にありますが、金利は上がり続けることはなく、いずれ天井を付けて下がるときが来ます。金利の下げは債券価値を高め、利息収入に加え、債券の値上がり益も期待できる絶好の環境が続きます。

そして金利の低下は、債券投資では得ることができない大きな値上がり益を株式投資に期待できる環境の到来でもあります。値下がりが続く環境下で株式投資を継続するのは辛いですが、下がっても買いをあまり無理なく定期的に継続できる株式投信の積立投資はいかがでしょうか。

積立投資は下げ幅が大きく、その分、元に戻る上げ幅が大きいものほど成果が上がる仕組み。「こんなに下がってしまっているけれど、将来への期待は変わらない」と思える対象であれば、すぐの成果を期待せず、中長期で積立投資に臨みましょう。

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