昨日から本日にかけて、「日本株式市場は波乱の幕開け」という話題があちこちに取り上げられました。個人的には、「バブル相場は終わった」と受け止めています。つまり「今は割高だと思うけど、もっと割高になる」ことを期待して投資する、グロース投資の時代は過ぎ、「何でこんなに割安なのにまだ下がるのか?」という場面で、いかに割安で投資して妥当価格に戻るのを待つかの「バリュー投資」の時代に入ったと考えています。
したがって、割安だと思う銘柄であっても、全体が下がれば同様に売られてしまいます。買い材料には余り反応せず、悪材料には敏感に反応します。地味に上がって、スコッと落ちる、の繰り返しがしばらく続きます。
しかし、良いものはいずれ評価されるときが来ます。良いものが割安に買えるのは、こんな時期しかありません。そう思える投資家にとっては、こういう投資環境はマンザラでもないでしょう。
為替もそうです。米ドルが年末に向けドル高になったのは、年末にドル資金を確保しなければならない人が季節要因で多かったという要因があります。同様に、円の場合は3月末に向けて円資金が必要な人が季節要因で多くなります。したがって、おそらく3月に向けて、今回のように円高に振れる場面が多くなると思います。112円、113円の米ドル為替の水準はもちろんあるのでしょうが、今回のようにスコッと107円程度まで円高になることは今後も有り得るのだと思っています。
しかし将来を見据えた場合、米ドルやユーロや豪ドルに対して円は更に強くなり続けるのでしょうか。「目先で言えば100円程度の円高はあるかもしれないけど、長い目で見たら112円でも魅力的」と考える人であれば、現在以上の円高水準は外貨投資のチャンスであるはずです。
自動車教習所での実技でまず教官から教わったことは、「先を眺めて運転してください。ハンドルの間から道を眺めたら、回りの状況が見えず、危険ですよ」ということです。
日経平均株価15000円は日本の将来を写した数字として割高なのですか、妥当なのですか、それとも割安なのですか?
日本円の、たとえば米ドルで108円の水準は割高なのですか、妥当なのですか、割安なのですか?
ここで大事なことは「日経平均株価の15000円は割安だ」と言って鼻息荒く買うと、すぐに上がららず、投資する元気を奪われてします。「日経平均株価15000円からまだ下がると思うけど、上がることだって有り得る」、だから期待せず少し買ってみようという投資スタンスが良いあんばいではないでしょうか。為替に対するつきあい方も同様です。
私は2005年に日本経済はピークを打ち、元気が出る反転期を探る時期にあると考えています。もし株価の停滞が長引くとすれば、それは政治の無策によるものだと思います。渡辺金融担当大臣の「日本の潜在力は素晴らしい」はその通り。しかし「何故潜在力が発揮できていないのか」に対する働きかけが一切見えません。
本日、竹中氏はテレビで良いことを言ってました。政治家は挑戦してください。切り開いてください。選挙のことしか頭にない様子を見せつけられるとうんざりします。我々は今を生きているんです。現場を見てください。