不安な気持ちは、賭ける気持ちが強くなればなるほど高まります。株価や為替など上下するのが当たり前なのに、「上がってくれ。何故下がるんだ」と言ってもストレスを貯める結果になるだけです。こういう気持ちになった原因は、何かに集中投資をしてしまった結果であったり、自分の許容を超えた資金で投資を行っている結果だったりします。こんな状態に陥ったときは、冷静な判断を失い、後手に回って自分自身を責め、ますますストレスを貯めるという悪循環に入り込む傾向があります。
「今売却して株価が戻ったら残念だ。もう少し待とう。ついでに安いからもう一度だけ買おう」とナンピン買いを入れたりしたくなりますが、絶対今はやすいという確信がない限り、お勧めできません。ナンピン買いは更に同一銘柄への集中投資を高めることになり、「上がってくれなければ困る」というプレッシャーにつながります。むしろ冷静になって「まだ下がるかもしれない。ここで売って下がったらまた買おう」と全部または一部を売却することを考えてはいかがでしょうか。「再び買うために売るんだ」と思うと気持ちの上で、売りやすくなります。そしてなによりも、いったんそうして手放すと、最初は損をしたことを悔やみますが、直にいままで不安で揺れた気持ちが嘘のように冷静さを取り戻すことが多くあります。
そこでもう一度売却した銘柄を投資対象として眺めてください。「なんでこんな株にこだわっていたのかなあ?もっと割安な銘柄がいくらでもあったのに」と感じるかもしれません。投資に大事なのは平常心。気持ちの揺れの原因は何かと立ち止まることも大事でしょう。