昨日の衆院予算委員会で見られた民主党馬淵議員と政府・国交省との道路計画を巡る応酬は久々に核心に迫るものでした。2008年度から10年間で59兆円を投じる道路中期計画の根拠が新しい調査結果があるにもかかわらず、それよりも古い1999年度の調査に基づくデータをもとにしているという指摘です。10年も前の、しかも予算を通すためにでっち上げたとお手盛りを噂されるデータを基にして作り上げた59兆円だとしたら、当然丁寧な説明が必要です。その59兆円は今回の道路特定財源を必要とする根拠にもなっているわけですから、事実であれば話を振り出しに戻すほど、いい加減な仕事を黙って通そうとしていた政府・与党は猛反省が必要だと思います。後で分かって困るようなことを無理に通そうとするのは止めましょう。時間の無駄です。
日経新聞の朝刊記事にもうひとつありました。日本郵政が民営化となり、以前1000円以下10円の発行手数料だった小為替(こがわせ)の手数料を100円に引き上げました。小為替は50円、100円、200円、300円、400円、500円、1000円の7種類あり、例えば450円を送金するために、50円券と400円券の発行手数料として、以前は20円で済んだのが200円になったそうです。
10円から100円へ手数料を引き上げた時点で、小為替の存在意義を消す意図があり、実質廃止を意味するものだと受け止めた利用者が多かったようです。
実際そうですよね。小銭を送るのに、手間がかかり、しかもこんなに手数料取られるならやらないですよね。しかし役所では「市民に対して50円を返すのに100円の手数料を取るのはおかしい」と不満の声が上がっているそうです。役所に「合理的でない」と言わせる「日本郵政」恐るべし。
これは民営化を固めた時点で小為替をやる気がないなら「やらない」、必要があると考えるなら存続を意識して丁寧な手数料体系を利用者に示すべきだったのではないでしょうか?誰が考えても「50円を送るのに100円の手数料はないだろう」という不満が起きるのは想定できたはずです。そんなことも気が回らない日本郵政なら、他にも「不思議なこと」があるのではないかと疑ってしまいます。民営化で大事なことは、非常識をまず正し、利用者の当たり前のニーズに応えていくことだと思います。
そして相場関係では、米投資家バフェット氏が相場の重石になっているモノライン(金融保証会社)に対し、地方債の再保険を最大8000億ドルまで引き受けると提案しているニュースは明るい材料ですね。現在の相場は誰が見ても楽観できる状態ではありませんし、たとえ好転するにしても、長い時間をかけてケアする仕組み作りがなければどこで暗転するかもしれない、危うい状態です。ある意味で緊急事態、異常事態がしばらく続く覚悟が必要だと考えます。
しかし、みんなが危機感を持って知恵を絞りますから、今回のような提案は増えると思います。前回のマイクロソフトとヤフーの話もそうです。日本でも、世間から世界から、「それっていいかも」と注目されるような提案が起こらないものでしょうか?世界が日本の提案、日本の出来事に、何の関心も示さなくなっているようです。日本においても、非常識をまず正し、当たり前のニーズに応える姿勢がないと、本当にひとりよがりで、どこからも当てにされない国になってしまうのではないかと不安になります。