無理は禁物。6月相場はやはり荒れますねえ!!

 昨日注目されていた米失業率は前月比で0.5%悪化し5.5%、ニューヨークダウ株価指数は400ドル程度下落、原油価格は一時139.12ドルまで10ドル以上上昇しました。為替も一転して円高、1ドル=106円35銭から105円割れとなりました。シカゴの日経平均先物価格も14065円まで急落して終わりましたので、週明けの日本市場ではまた14000円の攻防で始まりそうです。
 「債券から株式へ。商品から株式へ。ポンド・ユーロから米ドルへ」の動きが定まったかと思うと、ひょんなきっかけから逆流。ひょんなきっかけと申し上げたのは、同じ材料が出ても同じ反応にならない。動いた後の評論を集めて、時系列に並べてみれば、「買い材料なのか、売り材料なのか」。
 私が現在注目する点は、日経平均株価で14000円、1ドル=104円を固められるかどうか。これが下値として安心感が出てくれば、自然と株高・円安にジリジリと進むと考えています。
逆に大きく下げたり、上げたり、価格が振れてもすぐ戻る。たとえば、本日安値で株式を売った人、高値で原油を買った人は、後悔することになるのではないでしょうか?もっと言えば、昨日の日経平均株価の14500円を買わなくちゃいけない投資家にはなりたくないですよね。買うなら、自分の意志で、余裕があるときに投資したいものです。
 株価や商品価格が乱高下する中で、金利はまずまずのところに収まってきました。国債利回りの水準で、2年が0.88%、5年が1.385%、10年が1.785%となりました。
 「なーんだ、大したことないじゃないか?」と感じる方がいらっしゃると思いますが、この数字に1%乗せた数字ではどうですか?2年が1.88%、5年が2.385%、10年が2.785%。このリターンは、なにがしかのリスクを取らないと国内では達成できない数字ですよね。これ以上のリターンを期待して我々は投資信託などの金融商品に投資するわけです。しかし投資信託でも、変額個人年金保険でも、信託報酬や運用・管理費用のコストがかかります。ものによっては、1%以上のコストになる金融商品もあるでしょう。このコストをひかれると、もしかしたら2年、5年、10年で国債のリターンを下回る金融商品もあるのではないでしょうか?
 だとすれば、わざわざ確定しない金融商品ではなく、日本という国が破綻しなければ確実に履行される国債の元利金の方が自分の投資目的に合っているという人もいるのではないでしょうか?
今後更に国内金利が上昇する場面があれば、更に「投資信託よりも国債で良い」という人が増えてくるはずです。確定利回り商品が魅力が増している投資環境は、キャピタルゲイン狙いのリスク商品の魅力は減退しがちです。
 私の言いたい結論は、「リスク商品に思い入れは禁物。無理は禁物。水準に合わせた慎重な投資行動を忘れずに」ということです。無理して買い上げればやられますし、無理して売り込めば、やはりやられます。もし相場に熱くなる、冷静さを失う自分があれば休みましょう。