先週金曜日の相場の急落を見て、「今週は更に混乱する可能性あり。これだけ大きな調整になれば大きな反転は難しいだろう」と私はこの一週間様子を見ていました。やはり米国FRBの公定歩合緊急利下げは絶妙でした。今振り返れば、16日、17日の急落場面は、これまで待っていた水準であったので、一部手を入れておくべきだったかと、投資姿勢が慎重すぎたかなあと少し反省しております。
現在の為替、株価水準は妥当水準だと考えています。「買ってもいい、売ってもいい」水準。昨日注目されていた日本の政策金利は見送られました。はっきり言えることは見送られたのであって、日本銀行はサブプライム問題の混迷がなかったら「政策金利を上げたい」というスタンスに変わりがないということです。現在の相場を支えているのは各国中央銀行がサブプライム問題を発端にした信用危機(クレジットクランチ)を回避しようとする協調姿勢です。したがって相場は中央銀行の一挙手一投足に注目しています。今後は9月6日、18日に開催される欧州、そして米国の中央銀行の政策決定会議で、どんな話し合いが持たれるか、内容が注目されます。
市場に十分な資金供給を行うけどインフレの芽を摘む金融引き締めのスタンスは変えないとする欧州中央銀行は予想通り政策金利を引き上げるのか。サブプライム問題を沈静するために公定歩合に続き、次回会合までにFFレートの緊急利下げを行わざるを得ないと期待されているFRBは実際どう動くのか。
引き上げると期待された欧州中央銀行が据え置いたら、「そんなに欧州のサブプライム問題は深刻なのか」と不安が広がりかねませんし、緊急引き下げが期待されたFRBが引き下げなかったら、それを織り込んで上昇した株式相場、大幅に低下した金利の行方に大きな影響を与えることも考えられます。
やはり今回反省することは多々ありますが、しばらく私の慎重な投資スタンスは変わりそうもありません。ここでの新規投資は、買わないことで不安に思う気持ちを抑える程度が適当かなと、これまでと変わらないスタンスでおります。