相場が悪くなると気になること!!

 本日の日経記事に「企業年金、利回りマイナス7%、7−9月国内株の急落響く」がありました。
「相場急落→年金資産が傷む→年金受取額が減る→年金受給時期が先に延びる」という連想から、「年金資産を株式や為替リスクがある対象で運用するのはいかがなものか」と声高に叫ぶ専門家が現れる。「アメリカでは年金資産の運用に株式は使っていない」と紹介する。
 株式や外貨資産で運用した結果資産が増えているときは異を唱えず、そのことに触れないでいて、相場が急落したときだけ「そらみたことか」といかがなものかの話をする。「これって、フェアーじゃないね」といつも気になっていました。しかし、「大事な資産を勝手に株で運用するなんて」と不満に思っている人が少なくないことも事実だと思います。
 金融商品取引法は、「投資家の投資目的にそった金融商品を提供する側は、その投資家が理解できる程度までわかりやすく説明し、投資判断ができるようにサポートすること」を義務づけた法律です。年金という公的な資産を運用するのに、投資家が納得いっていない、誤解を持ちながらも、お構いなしに、過去からの踏襲を行っている。これって、やはりおかしいですよね。金融商品取引法の違反行為じゃありませんか?
 「年金資産はリスク商品では運用しない」を原則とし、「それでは年金資産が増えない。それでは困る」という人が「自分で運用する」、「人に任せる」という「リスク商品での運用は仕方ない。必要だ」という選択肢を持たせるのが本来の流れだと思います。
 年金資産は「自分で運用する」、「人に任せる」の別はなく、収益に対しては非課税、そのために純粋にかかった費用は原則税額控除にするなど税優遇を行う。
 自分の年金資産を増やそうと、勉強し工夫し努力している投資家から、自分でリスクを取ることもしないで、ピンハネして自分が生きていく生業(なりわい)にしていこうとする輩(やから)は、本当にいないのでしょうか?
関係者はそんな疑いを持たれないように、年金資産のお金の流れをもっと丁寧に説明する必要と時期に来ていると思います。リスクとリターンのバランスの議論がなく、ただリスクの部分だけを取り上げ「いかがなものか」という話を聞くたびに「そんな話をして、聞いて、どんな意味、発展性があるのだろう」と空しくなります。