関心はユーロ市場に、一体感を示せるか!!

 独不動産金融大手ヒポ・レアルエステートに対する救済策が見直しに入ったり、イタリア銀行最大手ウニクレディットが自己資本を増強するために外部からの資金調達計画を決定したり、米国の金融危機の深刻さが「欧州においても、少なからぬ影響がありそうだ」という段階に移ってきました。
 日本の企業にとっても、これまでユーロ高・円安だったからこそ、米ドルが円高に振れても、企業業績に致命的な打撃になるのを回避してきましたが、そのユーロも円に対して140円前半の円高となり、更にユーロ安・円高が進めば逃げ道がなくなって、業績見通しは厳しいものになります。
 ある意味、「米国大丈夫か」、「欧州大丈夫か」という消去法で、決して日本が良い状態であるわけではないですが、日本の相対的な有利性が目立つようになるのではないでしょうか。
その際日本資産の何に注目が集まるのでしょうか?技術や販路などピカピカの資源があるのに活用できず低生産性で、しかも借金もなく現金の使い道も特に決まっていない企業がもしころがっていれば、外貨リスクを取っても買いたいと考えるのではないでしょうか?お金があればですが・・・。
 しかしお金はないわけではなく、将来が不安で一時的に引っ込んでしまっただけですから、安定してくれば再び外に出てくるはずで、今のうちに「もしお金があれば、この水準は割安だよね。その中でも、これはとびきり割安だよね」と目配せだけはしておきたいと思います。