昨日のホンダ社長が2009年3月期下期の連結営業損益が1900億円の赤字に転落すると発表した記者会見の様子を見るまでもなく、相当なスピードで不況感が広がっています。毎日のようにレイオフの追加を耳にします。
「日本は欧米に比べて傷は浅い」のかも知れないけど、瀕死の重傷を負っているのは間違いなさそうです。もし「日本の傷は大したものではない」と政治が言い張るのであれば、現場が見えていない、見ようとしていない、証拠です。日本においても、次々と状況に合わせて、迅速で柔軟な対応が必要な緊急事態であるはずです。
日銀の決定会合では、米国に歩調を合わせ、「日本も政策金利引き下げが行われる」と市場は織り込んでいます。実際、どうなのでしょう?
政府は期待しているという他人事のコメントを出しています。日銀からは何もありません。
すでに日本の政策金利は0.3%。これを0.2%下げようが、たとえ0%金利にしようが、大勢には意味がないと思います。だからこそ、政策金利引き下げの効果を大きく見せるための演出が必要なはずです。
数少ない残された景気浮揚の手段。数少ない国際協調の姿勢を示す手段。そして機会なのですから、日銀と政府は連絡を密にし、効果的なアピールの機会と位置づけ行動を起こすのが当然だと思います。
何故、協調できない?なぜ他人事?
とても現在のタイミングが大事な機会だという緊張感が感じられません。
「我々は現在の状況を憂慮し、緊張感を持ち、関係各部署との連絡を密にして、出来る限りの手段を迅速に実行します。現在は緊急事態です。あらゆる提案に耳を傾け、参考にしたいと考えます。是非、ご意見をお寄せください」。
「なんとかなるさ」的な甘さが随所に見えてイラッとします。政府・日銀は現場が感じているように、「緊急事態」に入っているという認識と宣言がなければ、「安心して任せてくれ」と言われても、国民全体に広がる不安を抑えることはできないと思います。
政府・日銀は、もっともっと一体感を持って、リードしてください。お願いします。