昨日ドルは、アジア通貨の急騰を受けて一時100円程度まで円高が進行し、海外の日経平均株価先物では12900円を割り込みましたが、現在ドル為替は102円台、日経平均株価は13200円まで戻してきました。まだ余り期待をかけすぎてはいけないと思いますが、そして2007年度決算数字の発表前で取引が薄い投資環境が続くため、少しのことで不安定になることも考えられますが、個人的には精神的な底値固めのドル円102円、日経平均株価13000円を大きく割り込むリスクは小さくなったと思います。
現在開かれているG7会議には、日米欧の主要金融機関の首脳を呼び、金融安定化に向けての話し合いが持たれています。米国の積極的な姿勢で世界が巻き込まれている形になっていますが、米国の危機感が並々ならぬもので、しかも迅速な対応を意識している様子が伝わってきます。
「公的資金投入という画期的な話にならない」とか、「為替動向に対する具体的な内容にはならない」とか、G7後に失望に変わり底割れもという見方も出ていますが、あの米国が日本のように、場当たり的な、後先を考えない「呼んだだけ〜」という機会にするとは到底私には思えないのですが。
もし今回具体的なことが現れなかったとしても、振り返って「あのG7はひとつの転機だったかも知れない」という機会になるのではないかと期待しています。来週は注目される米金融機関の1−3月期業績発表が控えています。予想を超えた悪い決算の数字になるのか、それとも予想通りの範囲内で収まるのか、逆に悪いなりにも良い数字が混じり始めているのか。
私は米国金融機関の膿み出しは後の活力となり、この間何も手をつけず様子を見ていた金融機関との間で、競争力に開きがでるのではないかと思っています。
早くからギブアップをして、債務を免除してもらい、資本を増強し、弱い部門をそぎ落とし、フル充電した後に活動を再開する。何も手をつけないところは過去の負の遺産を引きづりながら、今を戦うので一杯一杯。ルールを自分の思うように変えることができる米国がもう一度中心に躍り出るように思えてなりません。