本日の日経で注目したのは「ホンダ、中国で生産能力2割強上げ、低燃費車が好調」という記事でした。記事によると、中国の自動車市場は急減速し、メーカー優位の「造れば売れる」時代は終わりを告げつつあると伝えています。しかし、それでも08年中国の新車販売は938万500台、前年比で6.7%増です。これまで二桁増を続けていたので減速という言葉は嘘ではないのですが、米国に次いで2位の市場になりました。
私は現在の中国と、土地バブルがはじけた直後の日本の状態とタブって見えます。「家はあきらめたけど、車ぐらいは手に入れたい」という欲求が中国の中堅層以上には根強くあるのではないでしょうか。
目の肥えた中堅以上の方が買おうと吟味するわけですから、厳しく選択されます。
記事にもありましたが、「安さを武器にしていたメーカーは淘汰され、商品の品質・顧客ニーズを熟知した販売力・きめ細かい購入後のメンテナンス」を顧客は求め、メーカーは問われます。
そうなれば当然、日本車の品質、質の高い顧客ケアサービスに注目が集まるでしょう。
この厳しい環境の中で企業として必要なことは、顧客に選ばれ生き残ること。ほとんどが淘汰された後でも生き残っていれば、残存者のその後の利益は大きなものになります。
「今どんな企業に投資しますか?」。それは勝ち残る企業であることが前提ではないでしょうか。
安さだけが売りになってしまっている企業、業種、業態。言われてドキッとするところは、「サービスの質で勝負する」原点に戻らないと生き残ることはむずかしいと思います。