米シティが政府管理下に入ることがなぜ悪材料??

 ニューヨークダウ株価は11年10ヶ月ぶりの安値、7000ドル目前まで下落しました。その下落した材料のひとつとして、米財務省が米シティ株の36%を握る大株主となり、事実上、政府の管理下に置かれることになったことが挙げられています。
 これまで米財務省が保有していた優先株を普通株に転換し株数が増えるため、既存株主にとっては株主の利益が希薄化し株価の頭を抑えるマイナス要因ではありますが、すでに株価は1ドル台の倒産株価にある状態です。政府の管理下に入ったことで、破綻回避の可能性が高まり、再び株価上昇が期待できる環境を喜ぶべきではないでしょうか。
 預金者や債権者、そして借入を受けたい人にとっては、政府管理下に入ったことで、今まで通り、そして今まで以上の金融機関としての役割を果たしてもらえるのなら有り難い話です。金融機関の役割を果たせず、金融が目詰まりを起こしている状態が続いてましたが、米シティがもし機能するようになれば、少しはお金回りにスムーズさも期待できるのではないでしょうか。
 米シティが政府の管理下に入れば、いろいろなことが明らかになるでしょう。米シティの内容をつぶさに見れば、糸がほぐれるように欧米金融機関の傷み具合の全体像が解明され、処理の対応にスピードが期待できるかも知れません。
 以前のりそな銀行の実質国有化のように、米シティが政府管理下に入ったケースの今後は金融危機解決の試金石になるでしょう。当初、りそな銀行の実質国有化に否定的な考え方もありましたが、最終的には「あれは英断だった」という世論に変わったと思います。
 この大きな最初の一歩に私は期待します。