イチローは「神が降りてきた」とコメントしたが、本当に、あの精神力と運を呼び込む力は神がかりでした。イチロー以外の選手もすごい。特に若手は頼もしい。すごい、すごい。
株式相場も強い。米政府の「不良資産買い取りの枠組み発表」は、ただの機会でしか無く、この発表があったから上昇しているわけでもないでしょう。発表が2週間程度前であれば、同じ内容でも「実現の可能性に疑問あり」とか何とか言われて、売り材料になっていたかもしれません。
変わったのは、相場のムードだと思います。
「株式相場は更に底値を探る展開になる」、「ドルは暴落し、一層の円高が進む」という見方は、現在も根強く残ってはいますが、ここ最近の株高・円安で、株を売っていた人、円を買っていた人は強気から弱気に転じ、「どこまで株高、どこまで円安」と目先の天井をつけるのをただ黙って様子を見ざるを得ないムードに変わってしまったものと思われます。
米ドルは再び100円手前、ユーロは135円手前、豪ドルは70円手前まで、円独歩高の修正が進みました。円高・ドル安が進む根拠、株安の根拠は確かにありますが、ドルが80円を割れる、豪ドルが55円をつけた、日経平均株価が7000円を割り込むという水準になってしまった根拠はなかったように私は思います。
ムードの勢いがその水準をつけさせたのだと思います。したがって、相場の水準として「どこまで戻り、いくらが妥当なのか」なんて、誰にも分かるわけがありません。神のみぞ知る。
ムードで下げ、ムードで上げ、そしてまたムードで下げるタイミングが来るのでしょう。
しかし2007年、2008年、そして2009年と3年続いた下げ相場。元の価格にそうそう戻ることは期待できませんが、「そろそろ底値から多少値上がりする相場があってもおかしくない」と考えることは楽観視しすぎているのでしょうか。
今回の米国政府の「不良資産買い取りの枠組み」を見て、吟味、検討して、「これだったら、投資して良いかも」というムードが広がれば、不良債権のバルクセールは宝の山に見えてくるかも知れません。投資するお金がないわけではありません。投資する気になれないお金になっているだけなのですから。