本日の日経に「信用リスク、急速に改善 CDS市場 投資家の警戒感後退」という記事がありました。企業の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、リスクの大きさを示す指数が急速に低下し、3月12日に過去最高の約565を更新した後は急低下、現在は300を下回り、ほぼ年初の水準まで戻ったと伝えています。
つまり、「万一破綻したら借金の肩代わりをしてやるよ。そのかわり保険料はもらうけど・・・」という保険料が年5.65%から年3%程度まで低下したということです。
リーマンショック後、国債以外は信じないと高格付け社債まで売られ、国債そのものも心配、通貨現金も心配と、さらに、さらに、安全資産を求め、迷う動きとなりましたが、各国の金融危機の対応の結果、少し冷静さを取り戻してきたようです。「そんなに神経質にならなくても良いか」と玉石混淆で売られて割安になっている中で、玉、それもとびきりの玉を探してみようという動きがすこしずつ広がってきたように感じます。
米クレジットカード大手アメリカンエクスプレスの3月純貸倒償却率は8.8%で2月の8.6%よりも高まったそうです。つまり債務不履行(デフォルト)は高まっています。しかし、支払いが最低30日延滞している割合は減っているそうです。つまり債務返済の見通しは改善しています。
まだまだ、今後紆余曲折あるのは仕方がありませんが、現在の相場持ち直しの背景は、アメックスカードと同様に、見通しに改善の様子が見えてきたことが主な要因だと思われます。
「そんなに神経質にならなくてもよいか」と思う人が今後少しずつまた増えていくと考えるのか。
それとも「現金が一番」と思う人が今後も増えていくのか。
個人的には、相場の転換期に必ず起こる現象として、「政策は買い」という相場格言を頭に置いて投資環境を眺めています。
「どうしたら臆病になってしまった資金を再び市場に呼ぶ込むことができるのか」と政府が対策を打つ時期は、投資に無関心になるときではなく、投資を慎重に検討する最良の機会だと私は思います。