欧州投資家が利益確定をしているとの噂があるけど・・・!?

 日本株や米国株式の軟調地合いが続いています。その要因として、日本株や米国株に投資していた欧州投資家の中では大幅なユーロ安となった恩恵を受けて利益確定する動きが活発化しているという話を耳にしました。

 09年末の日経平均株価は9233円。先週末は10462円。13.3%の上昇。これに加えて、欧州投資家はユーロ安の恩恵があります。09年末のユーロは132円51銭。先週末が114円27銭。つまり15.9%の値上がり。効果を合わせると、日経平均株価は31.3%の大幅なプラス。日本人感覚で言えば、9233円の1.31倍、12095円の水準。
 ニューヨークダウも同様、株式は年末比1.8%の上昇。ユーロ・ドルは15.6%のプラス。効果を合わせると17.6%のプラス、年末10428ドルだったNYダウは12263ドルの水準となります。
 いずれにしても、欧州株式が急落し、債券価値が下落する中、欧州投資家が外貨資産の利益確定をはかる動きがあっても不思議ではないと思います。
 目先で言えば、日本株にとっても、米国株にとっても、株価の頭を押さえる要因ではありますが、私はむしろ、欧州投資家が「日本株や米国株式に投資して儲かった」という事実が注目され、ユーロ圏以外の外貨資産を持つ重要性を強く意識する結果になり、「下がったところでは買いたい」というサポートニーズが高まると考えます。
 損して売るわけではありません。利益を出して売るわけですから、売った後に、値持ちが良かったり、逆に上昇するような展開で日本株や米国株式が推移するようであれば、欧州投資家は気が気ではなくなります。多くの人がそんな経験をされていますね。
「なんで、あんなに早く売ってしまったのか」「少しは残しておけば良かった」「あの安くなった時に再び買い戻しておくべきだった」
 欧州投資家の動き、ドルの将来を不安に思いユーロに向かったユーロマネーの動きに今後も注目ですね。どこに向かおうとするのでしょうか。
 視点を変えれば、ユーロ圏だけど、ソブリンリスクの対象となっていない、ドイツやフランスなどの輸出企業や投資家はウハウハではないでしょうか。ユーロ安を思いっきり享受しているはずですから。「ユーロ圏=お先真っ暗」とは言えない投資環境だと思います。