小泉首相の偉業は「政府に期待しても景気は良くなりません。みなさんの自助努力が大事なのです」と国民を突き放し、「理想は分かるけど選挙民は大事。私の顔を立てて」という古株政治家の要請を蹴散らして、これまたあきらめさせ、曲がりなりにも規制改革の雰囲気を作ったことではないでしょうか。
日経平均株価は16000円台に乗せました。日本企業の業績は好調で外人が見直し買いを入れているとか、下がるぞと空売りをかけていた人たちが踏まれて買戻しをかけた結果だとか、上昇した要因分析がされるようになってきました。こうした「何で下がったか、上がったか」とまことしやかな分析が出始めるということは相場は目先いいところ来ているのかもしれません。14000円台で買っている人であれば、1割から2割利益が出ているので利益確定の動きも出始めるでしょう。
昨年衆議院選挙前の日経平均12000円程度のときに、私は国内株式の利益確定を行い、投資割合を下げる提案をしました。その結果はみなさんもご承知の通り、17000円台まで上昇しましたので、アドバイスとしては失敗でした。しかし私はあえて今年もまた、9月20日自民党総裁が決定し、小泉首相の任期が切れる9月中に、少し株式投資の割合が多いかなと感じられている人は投資比率を下げるタイミングとして検討することをお勧めします。
ポスト小泉は小泉首相とは違って、実のある規制改革が内外から求められます。株式で言えば、業績好調の期待先行で買われて高株価になった企業が、本当に株価に値する業績を上げられているのかという厳しく検討される時期に入っているわけです。ここで「名だけ、ムードだけ」と評価が下れば株価の暴落は免れません。
ポスト小泉、そしてそれを支えるスタッフは、変人小泉を超える実績が示せるのでしょうか。世の中では「小泉」から「ポスト小泉」への変化をただのイベントとして、余り重く受け止めていないように思えます。
私は小泉首相の功績は「なにもしないことだった」と思いますが、ポスト小泉は余計なことをして、国民を困らせることはしないでしょうか。
地震災害、豪雨災害、そして現在起こっている領土問題は、国民一人ひとりの力ではどうしようもないこと。ここに政治家の存在意義があるのに、ただ傍観し、地域住民、生活住民に負担を強いている。この5年間先送りした問題も「ポスト小泉」には実行を期待されています。ここはやはり頭を整理する時間と、リセットが必要なのではないでしょうか。