昨日、ある男性から金融機関の窓口で投資の相談をしても、「わかるのは自分で扱っているものだけで、他で扱っているものに関してはわたしどもはわかりません」と説明を受けて、それでプロといえるのかと憤って電話をかけてきた人がいました。
私は答えました。それが実情です。金融機関の窓口担当者がすべて金融のプロというわけではなく、大半は金融機関に勤めている人と考えたほうがいいでしょうと。
何故なら、さきほどのような顧客応対をすれば、顧客は内容は理解できないけど「この人に相談しても無駄だな」と大抵の人が感じて相談をしなくなります。投資アドバイザーとしての力は、顧客との相談・問い合わせをどのくらい受けて、それを顧客とどうやって解決していったかの経験値がものを言います。その経験するチャンスをチャンスとも感じず、担当者は捨てているのですから、経験値が上がるはずがありません。もったいない話しです。
自分が取り扱っている投資商品の良さを顧客に案内するときの迫力は、他と商品比較した経験があるのと、ないのとでは大違いなのは少し考えればわかりそうなものですが、実際現場でこの比較ができている人は少ないですね。
その男性は憤るだけあって、ある程度商品知識を持ち合わせている投資中級者の人でした。インターネットで情報を取れないといわれていたので、以下のようにアドバイスしました。個人で取るよりも、金融機関の窓口のほうが、株価や金利、為替などの情報が取りやすいことに注目して、担当者に多くを求めず、「この一年間の為替推移を見たいのですが」など、自分では取りにくい、欲しい情報を取り寄せる選択肢として利用してはと。こうしたやり取りを面倒に思う担当者もいるでしょうが、中には「このお客さんのためにためになる情報はないか」とその後ためになる担当者候補が見つかるかもしれません。金融のプロにめぐり合うためには、投資家にも努力と忍耐が必要な時代になったということでしょうか。