「何故上昇しているのか」「何故下落しているのか」の理屈が整理され、強気になって投資を急ぐと、そこが「天井」であったり、まさに「底」だったりして、大きく相場をはずすことが多く、そのことを「理路整然と間違える」という言葉で、以前に紹介しました。
今、市場関係者の多くは迷っています。何故あれだけ強かった原油がここまで下落するのだろうか。以前だったら買い材料だったニュースにぜんぜん反応せず、むしろ下げ足が速くなった。金はどこまで下がるのだろう。むしろ何で米ドルが強いのか。7月の貿易赤字は月間で最高680億ドルだったというニュースを何故無視する、などなど。
16日からシンガポールで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、為替や資源価格の安定について話し合われるのではないかと期待し、9月20日で決定される米国政策金利の行方を見て、相場の方向性が決まるのではと期待し、毎日の相場動向が気になってストレスを溜めている人が多くなっているようですが、みなさんはいかがですか。
物の価値に変動はつきものですし、割高・割安の状態があるから投資チャンスが生まれます。自信がないときは休むか、投資額を抑え、「さすがにこの水準は割安だろう」と確信する場面まで待ちたいところ。途中で反転することを恐れて、中途半端なところで追加投資すると、その後の下げに意気消沈して、相場動向を正視することができず、せっかくの割安水準を見過ごすことになりかねません。今こそ、相場動向に振り回されずに、下げを楽しむぐらいの余裕を持てる「平常心」が大事な場面ではないでしょうか。