米国も日本の株式相場も、もう期待だけではしゃいで買うわけにはいかない「実績相場」に入った模様です。イメージをほら吹く段階は過ぎ、頑張っている企業や人が成果を上げることができるように、障害になっているものは取り除き、良いところはもっと伸ばせるように具体的なサポートの実行が求められます。
「これだったら、チャンスがあるかも」とチャレンジする人が増え、それを勇気づけるように、これまで先行して頑張ってきた人の成果が表に出てきて、「よし俺も」と刺激を受ける。そうしたムードの盛り上がりを実感できる人が増えていかなければ長続きするものにはなりません。
多くの日本人は、景気が低迷し、円高にも株安にも負けず、売上げが上がらない中でも、節約と効率化を図り、生き残ってきました。8000円の日経平均株価、1ドル=80円の為替の水準から、さらに株安になっても、円高になっても、やっていけるように努力を重ね、知恵を積んできました。
こうした経験と知恵が今後の活力と体力の源です。当時のことを思えば、多少、ここから少し逆境に振れる場面があったとしても、大したことに感じずにいられるぐらい日本の地力はついたように思います。
消費税の引き上げ話は相場の重石にならないと思います。引き上げを強行しようとしているとされる財務省にとっても、5%から8%に消費税を引き上げることが最終目標ではなく、8%の次は10%、そしてさらなる引き上げ余地を目指しているわけですから、8%に引き上げて景気の腰を折ったと責められ、次の機会を完全につぶしてしまうことは本意ではないはずです。
おそらく、今回の8%への引き上げを見送ることは譲っても、景気がしっかりしたあかつきには10%に一気に持ち込む世論を作って次につなげていく運びになるのではないでしょうか。8%引き上げは先送りし10%の引き上げが可能なように成長戦略を確実に進めていく宣言することで、秋口に控えた大きな黒雲は霧消し、年末に向けて相場の先行きに期待が高まる展開を想定しています。
日本も米国も、マーケットは具体的な政策を待っているところですし、日米両政府ともにマーケットを無視するわけにはいきません。